肥満の体型ほどうつ病になりやすい

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

几帳面な人ほどうつ病になりやすい。

女性は男性よりうつ病になりやすい。

など、

うつ病の発症には性別や性格が関係していることが明らかになっていますが、

 

アメリカの研究グループは、

 

という論文を発表し、

うつ病の発症には体型も関与していることが明らかになりました。

 

あなたは肥満タイプですか?

どうして肥満の体型の人はとうつ病になりやすいのでしょうか?

 

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肥満体型はうつ病になりやすい

アメリカのトゥルーマン州立大学の研究グループは、

うつ病の発症には肥満体型も関与していると言われているが、

体重、身長、BMIなど、どの身体指標がうつ病の発症と関連があるのか分かっていないとして、

 

体形とうつ病の発症いついて研究を行い、

 

 

 

Which body shape dimensions and sizes predict depression?

Body weight but not height predicted concurrent risk for depressive symptomatology in the United States. Future research should test whether assessment focused on body weight not adjusted for height, as in BMI, improves depression prevention and treatment.

 

詳しく見る ⇒ 原著論文
身長ではなく体重によって、米国における鬱症状症状の同時リスクが予測された。将来の研究では、BMIのように身長に合わせて調整されていない体重に重点を置いた評価がうつ病の予防と治療を改善するかどうかをテストする必要があります

 

研究では、

  • 20歳以上の成人
  • 2万3、739人

を対象に、

体型指標と抑うつ症状の関連を調べたのです。

 

その結果、

  1. 身長とうつ病には関連がなかった
  2. 男女ともやや体重が重い人はうつ病の有症率が高かった
  3. 男女ともややBMIが大きい人はうつ病の有症率が高かった

という結果が得られたというのです。

 

さらに、

BMIよりも体重の方がうつ病の発症とより関連があったとしています。

 

BMIとは、

BMI= 体重kg ÷( (身長m)x(身長m))

ということで、体重を身長の2乗で割った値です。

 

身長とうつ病とは関連がなかったと言うことですがら、

BMIよりも体重の方がうつ病の発症の目安になるのですね、、、

 

適正体重

日本肥満学会では、2016年に「肥満症診療ガイドライン」を出していますが、

 

肥満の診断基準を下記の様に定めています。

判定 BMI
 低体重 <18.5
 普通体重 18.5≦~<25
 肥満 1度 25≦ ~<30
 肥満 2度 30≦ ~<35
 肥満 3度 35≦ ~<40
 肥満4 度 40≦

 

 

厚生労働省では、

BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています

としていますが、

 

適正体重は、

適正体重=  (身長m)x(身長m)x22

で求められます。

 


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肥満体型はどうしてうつ病になりやすいのか

 

今回紹介したアメリカの研究グループの他にも、多くの研究者が、

肥満体型はうつ病いなりやすい

と報告しています。

 

どうして肥満体型はどうつ病になりやすいのでしょうか?

 

このサイトではうつ病と食事について多くの情報を提供してきました。

最近では「うつ病は生活習慣病だ」といわれるほど、食生活や運動、睡眠などの生活習慣と密接な関係があるのです。

 

国立精神病研究所の功刀部長はうつ病と食生活の関連についての研究での第一人者ですが、

 

うつ病の患者の食生活では、

  1. 必須アミノ酸 : うつ病患者ではメオチニンの低下傾向がある
  2. 脂肪酸 : うつ病患者ではn-6系多価不飽和脂肪酸の摂取が少ない
  3. ビタミン : うつ病患者では葉酸値が低い傾向がある
  4. 緑茶 : うつ病患者では飲む量が少ない
  5. コーヒー : うつ病患者では飲む量が少ない

などの特徴があったと報告しています。

 

さらに、

うつ病患者では、

  • 肥満傾向があり、
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低く、
  • 中性脂肪が高い

などのメタボリック症候群との関連が示唆された。

とも報告しています。

 


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まとめ

うつ病になりやすい人は、

痩せて神経質の人

のイメージがあるかもしれませんが、

実際は肥満体型の人の方がうつ病になりやすいのです。

 

その原因は、

  1. 不規則で偏った食生活
  2. ストレスによる過食
  3. 運動不足

などにより肥満になってしまうと考えられるのです。

 

うつ病は肥満や糖尿病などの生活習慣病の一つだと言われており、

うつ病を改善し予防するためには食生活の見直しも重要なのです。

 

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