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    Categories: うつ病とは

うつ病の分類

ひとくちにうつ病といっても、さまざまなタイプのうつ病があり、

さまざまな名前で呼ばれています

  • 大うつ病
  • 気分変調障害
  • 単極性うつ病
  • 双極性うつ病
  • 定型うつ病
  • 新型うつ病

これらの違いが分かりますか?

うつ病はアメリカ精神病学会によるDSM-Ⅳ-TRに基づいて分類され、日本うつ病学会もこれに準じています。

うつ病の発症には精神的ストレスや葛藤が大きく関与していることは間違いないにしても、

その正確な原因や発症メカニズムが判明していないことからさまざまに分類なされているのです。

うつ病の改善では、何が原因であるかを見極めることが非常に重要なのですが、

そのためには、自分のうつ病がどのようなうつ病かを判別する必要があるのです。

 

うつ症状の程度や現れ方によるうつ病の分類

うつ状態の現れ方や程度による分類で、この分類はうつ病の診断基準に基づいた分類です。

  1. 大うつ病
  2. 気分変調性障害(軽症うつ病)
  3. 双極性障害(躁うつ病)
  4. 統合失調感情障害

通常は上記の4つに分類されます。

  • 大うつ病

大うつ病といっても症状が重いわけではありません。

大うつ病とは英語の疾患名のmajor Depressionを訳したもので、major(メジャー) とは大きさや数量、程度など他のものと比較して大きい、という意味もありますが、主要な、大半の、一流のなどの意味もあり、主流なうつ病という意味合いで、いわゆる一般的に考えられているうつ病のことです。

  • 気分変調性障害(軽症うつ病)

大うつ病に比べてうつ症状が比較的軽いうつ状態が慢性的に続くうつ病です。

しかし、症状が軽いといっても回復しやすいということではなく、2~3年以上続くことも珍しくありません。

  • 双極性障害(躁うつ病)

気分が落ち込んだうつ状態と、気分が高揚した躁状態が交互にくりかえされるうつ病です。

うつ状態があるということではうつ病と同じですが、双極性障害におけるうつ症状の治療はうつ病の治療とは異なり、うつ病とは根本的に異なると考えられています。

双極性障害の程度の軽いものは気分循環症ともいわれます。

  • 統合失調感情障害

躁型とうつ型の2つのタイプがあり、幻覚や妄想など統合失調症における症状と躁またはうつ症状が混在して現れる精神疾患です。

原因によるうつ病の分類

うつ病を症状を引き起こす原因によるうつ病の分類での3つに分類されます。

  1. 心因性うつ病
  2. 内因性うつ病
  3. 身体因性うつ病

 

さらに、

心因性うつ病は、

  1. 神経症性うつ病 : 本人の無意識的なストレスや精神的葛藤が原因
  2. 疲弊性うつ病 : 持続的な長期間の心理的ストレスが原因
  3. 反応性うつ病 : 身内の不幸や大災害など突然のストレス体験が原因

の3つに分類されます。

 

  • 心因性うつ病

発症の背景に遺伝的体質や性格などが存在するうつ病ですが、発症は心理的ストレスや喪失体験などが契機になることが多く、内因性うつ病と心因性うつ病を明確に区別することは非常に困難です。

さらに、

内因性うつ病は症状の出方によって、

  1. 単極性うつ病 : うつ状態のみが繰り返し現れる
  2. 双極性うつ病(躁うつ病) : うつ状態と躁状態が交互に現れる
  3. 退行性うつ病 : 中年期以降に発症する

の3つに分類されます。

 

  • 身体因性うつ病

脳の障害や疾患などによって引き起こされるうつ病です。

さらに、

  1. 器質性うつ病 : 脳血管障害や脳腫瘍など脳の病気が原因
  2. 症状性うつ病 : 糖尿病や消化性潰瘍などの疾患が原因

に分けられます。


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うつ症状の現れ方によるうつ病の分類

うつ病の診断は診断基準に沿って行われ、

気分が落ち込む、やる気がでない、何をやっても楽しくない、、、など、アメリカの精神医学会が決めた9項目について問診し該当する項目数によって診断されます。

詳しく見る ⇒ うつ病の自己診断

しかし、それらの項目の症状に当てはまらない場合でもうつ病と診断される場合があり、

従来の診断基準に当てはまる定型うつ病と、当てはまらない非定型型うつ病に分けられます。

  1. 定型うつ病
  2. 非定型うつ病(新型うつ病)

症状が従来の典型的なうつ病に当てはまるのが定型うつ病、

従来のうつ病の症状に当てはまらないのが新型うつ病ともいわれる非定型うつ病といわれます。

 

新型うつ病ともいわれる非定型うつ病は、新しいうつ病として分類すべきか、大うつ病や気分変調症などと同じ分類なのかは精神病学会でも定まっていないようです。

また、非定型うつ病は、

  • 新型うつ病
  • 逃避型うつ病
  • ディスチミア型うつ病

などに分けられる場合もあります。


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年齢によるうつ病の分類

うつ病の発症は従来は40歳代の女性に多くみられたのですが、

最近は児童のうつ病や高齢者のうつ病も増えており、

うつ病は、児童期、思春期、青年期、成人、壮年期、老年期など全てのライフステージで発症するのです。

しかし、うつ病は、

心身や肉体機能の発達や衰えに加え、社会的役割や立場などの生活環境や社会的環境の影響が複雑に絡み合って発症するため、

それぞれのライフステージごとに症状や治療法も異なります。

発症年齢により、

  1. 学童期うつ病
  2. 思春期・青年期うつ病
  3. 成年・壮年期うつ病
  4. 老年期うつ病

などと分類されます。

 

また、妊娠や分娩、更年期においてもうつ病が発症しやすく、

  1. 妊娠うつ病
  2. 分娩後うつ病
  3. 更年期うつ病

などもあります。

発症する季節による分類

うつ病は季節に関わらず発症する精神疾患ですが、

日照時間が短くなる冬季や、入社や入学による生活環境の大きな変化により特定の時期に発症が多くなるうつ病があり、

  1. 冬うつ病
  2. 5月病

などと呼ばれる場合もあります。

 

うつ病は気分が落ち込む病気で、気分障害といわれる疾患群です。

うつ病にはさまざまな分類がありますが、それだけうつ病は複雑だということです。

うつ病の改善は早期に治療を開始することです。

治療といっても薬を飲むことだけではなく、自分の気持ちを打ち明けたり、自分の考え方を変えることで改善の方向に向かいます。

うつ病ではないかと感じたら、できるだけ早く専門医に相談することです。

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