うつ病の予防には食事療法が有効

ご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

メタボリックシンドロームとは生活習慣病といわれる病気群で、

高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病などで、肥満が大きく関与しています。

そして、

メタボリックシンドロームはうつ病のリスクを約1.5倍に高める

ことも明らかになっています。

うつ病患者ではメタボのヒトが多く、うつ病は生活習慣病の一つだという学者も多いのです。

うつ病では薬物療法も効果的ですが、

うつ病の治療では食事療法も効果がありうつ病の改善には不可欠な治療法なのです。

あなたも食生活を見直してみませんか?

 

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食事療法でメタボを予防すればうつ病にならない!

メタボ(メタボリックシンドローム)ともいわれる生活習慣病は、内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常症のうちの2つ以上を合併した状態をいいます。

一方、うつ病は精神疾患で、メタボとは何も関係がなさそうですが、この2つには大きな関連性があるのだそうです。

食事療法でメタボを予防するとうつ病にも有効

国立精神・神経医療研究センターの疾病研究第三部部長である功刀(くぬぎ)医師は、「精神栄養学」という精神疾患と栄養の関係の研究の第一人者ですが、うつ病患者における食生活について調査研究を行っています。

メタボの診断基準は、

  1. 腹囲
  2. 血糖値
  3. 高血圧
  4. 中性脂肪150㎎/dl以上
  5. HDLコレステロール40㎎/dl未満

なのですが、

うつ病患者では、BMI25以上の軽度以上の肥満が多く、

中性脂肪150㎎/dl以上の割合は、

  • 健康人  : 19%
  • うつ病患者 : 42%

と非常に多く、

善玉コレステロールであるHDLコレステロール40㎎/dl未満においても、

  • 健康人  : 2%
  • うつ病患者 : 12%

と、うつ病患者では脂質異常患者が多いのだそうです。

功刀(くぬぎ)医師は、

うつ病はうつ病は糖尿病や肥満、メタボリック症候群、脳血管障害や心筋梗塞と互いに関係し、リスクを高め合うため、うつ病は生活習慣病ともいえると述べています。

事実、海外の研究では、

「メタボリック症候群はうつ病のリスクを約1.5倍に高める」

ことも報告されています。

 


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食事療法でうつ病を予防できる

功刀(くぬぎ)医師は、うつ病は生活習慣病の一つだとして、従来のうつ病の基本的治療法である、①心身の休息、②環境調整、③心理療法、④抗うつ薬の4つに加え、食生活など生活習慣の改善が治療効果に大きな影響を及ぼすとしています。

  1.   心身の休息
  2.   環境調整
  3.   心理療法
  4.   抗うつ薬
  5.   食生活など生活習慣の改善

うつ病の食事療法では地中海食が有効

「健康的な日本食」や「地中海食」を摂っている人ほど、うつ病の発症率が小さいことも分かっています。

「健康的な日本食」とは、焼き魚、野菜の煮物、味噌汁などを主にした、古典的な日本食で、トリの唐揚げやフライ物が多い現代の日本食ではありません。

 

欧米の研究では、「地中海食」がうつ病のリスクを下げるとして注目されています。また、地中海食は糖尿病にも有効だとしてアメリカ糖尿病学会が推奨しています。

地中海食とは、シーフード、野菜、豆類、果物を中心に、オリーブオイルを使って調理した食事のことで、

  • 毎日、穀物、豆、野菜、果物を摂る
  • 毎日、オリーブオイルを摂る
  • 毎日、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を食べる
  • 週に数回は魚介類を食べる
  • 肉は控えめに、月に数回は牛肉や豚肉を食べる
  • ワイン1、2杯を食事の時に飲む

という食事様式です。

地中海食はメタボもうつ病も予防する食事療法です

うつ病を予防する食事療法とは

うつ病の食事療法では、ハンバーガー、フライポテトのようなファストフードや、ハム、ソーセージ、ピザなどの加工食品はうつ病発症のリスクが高いといわれています。

功刀氏によると、うつ病患者では、

  • 葉酸(ビタミンB群)
  • メチオニンとトリプトファン(必須アミノ酸)
  • チロシン(アミノ酸)

の不足している傾向が見られるそうです。

同様な欧米の研究でも、葉酸、メチオニンとトリプトファン、チロシンの不足とうつ病との関連が指摘されているそうですから、これらを含む食品を積極的に摂ってください。

葉酸などのビタミンB群はアミノ酸やDNAの合成に必要不可欠で、葉酸の摂取量が少ない人はうつ病リスクが約1.4倍に高まる他、パーキンソン病、統合失調症、アルツハイマーのリスクも高まるといわれています。

トリプトファンは精神の安定に関与しているセロト ニンを作る上で必要で、チロシンも意欲に関 わるドーパミンやノルアドレナリンを作る上で必要な栄養素なのです。

うつ病の予防に必要な栄養素と食事療法

このように、最近の研究で、食生活や栄養素は、うつ病と非常に密接な関係にあることが分かってきています。

これからも、うつ病と栄養素、食事療法に関する最新情報を発信していきますので、注視しておいていただければ幸いです。

うつ病の予防・治療では、まず食事療法と運動療法と睡眠の改善を行うべきです

 


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