うつ病の改善では運動で脳内のBDNFを増やすこと
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
気持ちが落ち込んで抗うつ薬を飲み続けている貴方。
できるだけ抗うつ薬を止めたい!、そんな風に思っている貴方。
抗うつ薬と同じ効果が得られるのが運動です。
運動は抗うつ薬と同じように脳内のBDNFを増加させるのです。
抗うつ薬を止めたいなら体を動かしてみませんか?
体を動かせば抗うつ薬と同じ効果がある
後で詳しく説明しますが、
うつ病ではBDBF(脳由来神経栄養因子)が減少しているといわれています。
ストレス状態が続くとBDNFが減少するのですが、
最近の研究で、動物にストレスホルモンを投与すると脳内のBDNFが減少することから、
うつ病にはBDNFの減少が関わっていることが明らかになってきました。
「こころに効く精神栄養学」という本を出版した帝京大学医学部精神神経科学講座の功刀浩主任教授は、
ストレスを与えたネズミではBDNFが減少しますが、
よく運動させると脳内のBDNFが増加し神経新生が盛んになり、
運動は抗うつ薬と同じような効果が期待できるのですす。
コロナ禍によって在宅勤務や自粛生活がひろがったことから、
社会不安や生活困難でストレスが加わり、さらに身体活動が低下したことなどからうつ症状を訴える人が増えているのです。
抗うつ薬に頼るよりは体を動かしてBDNFを増すように心がけてはいかがですか?
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うつ病の原因となるBDNFとは
BDNFとはBrain-derived neurotrophic factorの略で、日本語では「脳由来神経栄養因子」といわれる物質です。
脳内の神経細胞が作り出す蛋白質で、神経細胞の活性にとって重要な役割を果たしているのですが、
最近の研究で記憶や認知機能と深い関連があることが分かり、
脳内のBDNFが少ないと認知機能の低下が起こりやすいことが分かってきました。
BDNFは、
- うつ病
- パーキンソン病
- 統合失調症
などの精神疾患でBNDFが低下していることもわかっています。
1960年代には、
うつ病では脳内のセロトニン、カテコラミンなどが欠乏することが原因だとされました。
その後、ストレスにより副腎のコルチゾールが多く分泌されることにより、
脳神経細胞の新生が抑えられるのではないかと考えられるようになりました。
BDNFの働きは上に書きましたように、神経新生やシナプスを形成して神経ネットワーク形成などに関わっています。
うつ病では海馬付近のBDNFが低下しますが、抗うつ薬の投与でBDNFが増加することが動物実験で明らかになっています。
うつ病患者でも血中BDNFが低下しており、抗うつ薬などの治療でうつ症状が回復するにつれて血中BDNが増加することも分かっているのです。
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BNDFを増やすなら食べ物や運動
うつ病では抗うつ薬でBDNFが増加するのですが、
食べ物や運動でもBDNFが増加することが報告されています。
高齢の軽度認知症女性患者71名に、
- カマンベールチーズ
- プロセスチーズ
を3カ月間毎日食べてもらったところ、
カマンベールチーズを食べたグループでは血中BDNF濃度が高いことが分かりました。
これは、食べるチーズを交換してもカマンベールチーズで血中BDNFが上昇することが確認されています。
運動でBDNFを増加させる
運動でBDNFを増加させることについては多くの研究論文がありますが、
数ある運動の中でもBDNFをより増やすのは、
- ウォーキング
- スイミング
などの、運動時に体内にたくさんの酸素を取り込む有酸素運動です。
腕立て伏せやダンベルトレーニングなどの短時間で筋力を使う激しい運動は無酸素運動で、有酸素運動ほどの高い効果が得られないといわれています。
以前にも書きましたように、うつ病は1週間に1回の軽い運動で改善するのです。
などの軽い運動がうつ病の改善に効果があるこは多くの研究で明らかにされています。
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まとめ
うつ病を予防するには少し歩くだけで良いでも書きましたが、
うつ病は歩くだけでも予防できるのです。
コロナ禍も次第に終息に向かっているようですし、
外に出て、
- 軽いストレッチ
- のんびりと散歩
などをしてみませんか?