漢方薬でうつ病を治す

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

今年の4月に、

漢方で「うつ」を治す!

という本が出版されました。
うつを治すには漢方がお薦め

 

漢方薬には抗うつ薬のような依存性がなく、

漢方薬は天然由来の成分であることから安全性も高いというのです。

漢方薬は本当にうつ病に効果があるのでしょうか?

 

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漢方薬でうつ病が治る!

今年の4月に、

うつ消し漢方ー自然治癒力を高めれば、心と体は軽くなる!

という本が出版されました。

 

うつを治すには漢方がお薦め

 

漢方薬は、

  1. 抗うつ薬のの量を減らせる
  2. 抗うつ薬のような依存や副作用がない
  3. 西洋薬の副作用を軽減できる
  4. うつの症状に応じたきめ細かい対処ができる
  5.  身体だけでなく心の体質も改善しうつ病を予防できる

というのです。

 

著者である森下克也氏は、

久留米大学医学部卒業後に浜松医科大学心療内科で「精神疾患と漢方」の研鑽を積み、

浜松赤十字病院、法務省矯正局、豊橋光生会病院心療内科部長を経たあとに、

東京品川でもりしたクリニックを開院しています。

 

もりしたクリニックでは、

向精神薬をいかに少なくできるかを考え、漢方とカウンセリングを重視します。

カウンセリングと漢方薬を重視し、向精神薬は患者様の状態に応じた必要最小限の使用にとどめるよう努めております。

漢方薬の併用により、向精神薬の抗うつ効果、精神安定作用を落とすことなくその量を減らし、副作用の軽減をはかります。

そして、漢方薬のみで症状をコントロールできるようになり、最終的にはあらゆる薬から離脱できることが治療のゴールです。

ということで、

  1. 向精神薬をできるだけ少なく
  2. カウンセリングと漢方薬を重視
  3. 漢方薬のみで症状をコントロール

というのが特徴のようです。

 

 

私も(注文しましたが)未だ読んでいないのですが、

 

30年以上もうつ病の漢方治療に携わってきた森下医師が、

心身のバランスを調えて「うつ病」を治す漢方養生法について、

  • 漢方療法の基本
  • 症状別の漢方療法の事例
  • 自分でできる漢方養生法

をわかりやすく解説するとともに、

薬局やネット通販で購入できる漢方市販薬のリストを紹介しているようです。

 


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漢方薬はうつ病に効果があるのか?

漢方薬は中国のものと思っている方も多いのでは無いでしょうか?

漢方は日本の医療なのです。

 

5世紀頃に、中国の伝統医学「中医学」が日本に伝わったのですが、

それから日本人の手によって、日本の風土や日本人の体質に合わせて独自に発展し日本の伝統医療となったのです。

 

漢方という名前は、

江戸時代にオランダから入った西洋医学は「蘭方」と呼ばれたのですが、中国で漢の時代に伝わった東洋医学として「漢方」と名づけたことに由来しているのです。

 

漢方で使われる漢方薬は、漢方の長い歴史と経験の中で、

  • 植物
  • 動物
  • 鉱物

などの中から様々な作用を持った素材(生薬)の組み合わせて作られ、

様々な成分が体に作用して体全体の調子を整える

ように作用するのです。

 

西洋医学では、

体の不調の原因に直接作用して病気を治すのですが、

 

漢方医学では、

体の調子を整え自然治癒力を高めて病気を治す

という考えなのです。

 

漢方では様々な生薬を配合していくつかの作用を組み合わせて効果を発揮するのですが、

西洋医学の医薬品は生薬などから選び出した有効成分を化学合成したものなのです。

 


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漢方薬はうつ病に効果がある

うつ病などの精神疾患にも漢方が使われてきました。

しかしながら、漢方薬は効き目が穏やかであるため、

効果が急激に現れる医薬品に目を奪われ、

向精神薬や抗うつ薬としての使用は減少してきました。

 

しかし最近では、医薬品の副作用に対する不安から、患者自身が漢方薬を求める傾向が強くなっているのです。

 

うつ病に効果がある漢方薬

うつ病に有効だとされる漢方薬は、

  1. 抑肝散(よくかんさん)神経の高揚感や筋肉の緊張を抑えて心と体の状態を穏やかにします。
    イライラ感や不眠などの精神神経症状や、更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも効果があります。
  2. 加味逍遥散(かみしょうようさん)血液循環を改善して体をあたため、一方ではのぼせなどの上半身の熱を冷まします。
    ホルモンのバランスを整える効果もあり、女性の更年期のイライラや不安感などを抑えます。
  3.  補中益気湯(ほちゅうえっきとう)胃腸の働きを改善して体力の回復を促進し、体力と気力をとりもどす効果が期待できます。
    倦怠感、食欲不振、胃弱、病中や病後で体力が弱っているときにも用いられます。
  4. 加味帰脾湯(かみきひとう)胃腸を健康にして貧血症状を改善し、不安や緊張、イライラ感を抑えます。
    また、不眠を改善して寝つきをよくします。
  5. 加味逍遥散(かみしょうようさん)血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。ホルモンのバランスを整える効果も期待でき、イライラや不安感をともなうときに効果が期待できます。

 

東洋医学では、うつ症状は気虚が原因だとされています。

気虚(ききょ)とは、気持ちがうつろになることで、虚はうつとも読まれます。

 

漢方薬には自律神経のバランスを整え、気を補う効果があることが分かっており、精神疾患でも多くの医療機関で処方されるようになっているのです。

 

まとめ

うつ病は非常に再発しやすい病気であることはあなたもお分かりだと思います。

 

うつ病は60%で再発し、再々発と繰り返すごとに再発率はさらに高まるといわれています。

厚生労働省の研究班も、

うつ病で病気休暇後の2年で半数が再発する

と報告しています。

 

抗うつ薬の服用によって症状が回復しても、

うつ体質が改善されない限り再発の可能性が非常に高いのです。

 

最近の研究では「うつ病は生活習慣病」だともいわれ、

生活習慣や生活環境の見直しをおこなう必要があるのですが、

 

漢方薬を西洋医学を補うように有効利用することで、

精神疾患における薬物治療の効果の向上と副作用の軽減が期待されるのです。

 

しかし、漢方薬も医薬品ですから自分勝手に服用せず、

主治医と相談する必要があります。

 

 

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