うつ病で病気休暇しても半数が再発する

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

うつ病は60%で再発し、再々発と繰り返すごとに再発率はさらに高まるといわれています。

厚生労働省の研究班によると、

うつ病で病気休暇後の2年で半数が再発する

ことがわかったというのです。

 

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さらに、

仕事の負担が大きな職場ほど休職の再取得が多いことから、

企業は慎重に取り組むよう訴えているのです。

しかし、

獨協医科大学越谷病院こころの診療科の井原裕教授は、

働きながら治す

治しながら働く

という方法もあると述べています。

 

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うつ病で病気休暇しても半数が再発する

厚生労働省の厚労省研究班は、

  • 社員1,000人以上の大企業などの35社において、
  • うつ病で病気休暇を取得したあとに職場復帰した540人
    男性455人、女性85人、平均年齢41.7歳

について、

  • 職場復帰後の経過

を調べたました。

 

その結果、

 

うつ病を再発して再び病気休暇を取得した人は、

職場復帰から、

  • 1年で 28.3%
  • 2年で 37.7%
  • 5年で 47.1%

に達し、

半数が復帰から5年で再発して再休職していることが分かったというのです。

 

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詳しく読む ⇒ 毎日新聞

 

うつ病による病気休暇の平均期間は、

  • 1回目は 107日
  • 2回目は 157日

と、2回目は1.5倍も長くなり、

 

  • 1回目の病気休暇期間が長い
  • 入社年齢が高い

ほど、2回目の病気休暇の期間が長くなる傾向があったそうです。

 

 

さらに、

職場環境についてストレスチェックを実施したところ、

仕事の負担が大きいと感じる社員の多い職場では再発による病気休暇の取得率が1.5倍高かった

ということから、

 

研究班の東京女子医大の遠藤源樹助教は、

うつ病は再発しやすい病気であることから、再発率が高い復職後の2年間は時短勤務を取り入れるなど再発防止に努めてほしい

とコメントしています。

 


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うつ病では病気休職したほうが良いのか?

うつ病で病気休職した後のに職場復帰しても、

  • 1年目で3割
  • 5年目で5割

も再発して再び病気休暇を取るというのです。

 

そして、復帰した後の仕事の負担が大きいほどうつ病の再発率も高いというのです。

 

1回目の病気休暇の平均は107日と3ヵ月以上ですから、

ほとんどのヒトは職場復帰した後に「仕事の負担が大きい」と感じるでしょう。

 

会社や同僚は、

復帰したのだからバリバリ働いて欲しい

と思うのが自然で、

 

遠藤源樹助教の言うように、

再発率が高い復職後の2年間は時短勤務を取り入れて再発防止に努めてくれる職場

などはあまりないのが現実でしょう。

 

そうなると、

うつ病になったら病気休暇を取らないで、

 

  • 働きながら治す
  • 治しながら働く

 

ことの方が良さそうにも思われるのです。

 

獨協医科大学越谷病院こころの診療科の井原裕教授は、

仕事の関係でうつ病になったら、

まずは長期休職しないで、

「治しながら働く。働きながら治す」可能性を探ってください。

とすすめています。

 

  • うつ病=重症
  • うつ病=働けない=長期休職

ではないと述べています。

 

主治医に頼んで、

「向こう1ヵ月時間外労働を免除することを条件に就業継続可能」

などの意見を診断書に付してもらえばいいのです。

 

とすすめています。

うつ病でも数日の病欠ならともかく、数ヵ月もの長期休職が必要な人はさほど多くはないかもしれません。

と述べています。

 

 

うつ病による病気休暇のデメリットとして、

  • 業務遂行能力の低下
  • 仕事体力の低下
  • 信頼関係の喪失

などがあり、

低下した業務遂行能力は業務を遂行しなければ回復しないし、

仕事体力も仕事をしなければ回復しないというのです。

 

井原裕教授は、

漫然と休むのではなく「仕事をしながらのリハビリテーション」(on-the-job-rehabilitation)が大事だと説いています。

 

井原裕教授は、

獨協医科大学越谷病院こころの診療科を開設しているのですが、

ホームページでは、

当科は本邦の大学病院で唯一の「薬に頼らない精神科」です。

患者さまは精神科に、薬物療法だけを求めているわけではないはずです。本邦精神医学の薬物療法偏重(いわゆる「薬漬け」)の現状に抗して、

私どもは一石を投じるべく療養指導・精神療法中心の治療をめざしています。

過量処方に疑問をお感じの患者さま、強力な薬物療法を希望しない患者さまは、どうぞ当科へおこしください。

 

と書いています。

 

うつ病を再発させない働き方もあるのです。

 

治しながら働く

働きながら治す

ということも選択肢の1つなのかもしれません。

 


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