お腹の調子が悪いとうつ病が悪化する

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

お腹の調子が悪いとうつ病が悪化する

とはどういうことなのでしょうか?

実はお腹の調子とうつ病は密接な関係にあるのです。

 

今日ご紹介するのは、

中国の研究グループの、

過敏性腸症候群はうつ病を悪化させる

という研究報告なのですが、

国立精神・神経医療研究センターの研究グループも、

うつ病では過敏性腸症候群を合併している人が多い

ということを発表しています。

 

あなたはお腹の調子は悪くないですか?

 

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お腹の調子の悪い人はうつ病が悪化する

中国の中日友好医院の研究グループは、

 

過敏性腸症候群はうつ病を悪化させる

という研究論文を発表しました。

 

Comparison of comorbid depression between irritable bowel syndrome and inflammatory bowel disease: A meta-analysis of comparative studies.

CONCLUSIONS : Although the prevalence of comorbid depression was similar between groups, IBS patients had more severe comorbid depressive and anxiety symptoms compared to IBD patients. Appropriate assessment and treatment of depressive and anxiety symptoms in these patient groups should be implemented.

 

詳しく読む ⇒ 原著論文

 

過敏性腸症候群というのは、

英語名のirritable bowel syndromeの頭文字をとってIBSなどとも呼ばれるのですが、

昔は「神経性下痢」ともいわれていた病気です。

 

例えば、

  • 緊張すると下痢する
  • 心配ごとが起きると下痢する

というような病気で、

 

過敏性腸症候群は、精神的な緊張やストレス,心身の過労,不安,環境の変化などが原因で下痢や便秘などを起こす病気です。

 

昔は神経性下痢といて病気としては扱われていませんでしたが、

今では過敏性腸疾患という難しい名前が付いているのです。

 

実は私も神経性下痢で悩まされていました、、、

 

さて、本題に戻って、

 

中国の研究グループは、

科学論文のデータベースから、

  • 過敏性腸症候群でうつ病の患者 : 1,244名

を抽出し、

過敏性腸症候群とうつ病の重症度との関係

を調べたのです。

 

その結果、

  1. 過敏性腸症候はうつ病の重症度と関連がある
  2. 過敏性腸症候は不安の度合いと関連がある

ということが判明したというのです。

 


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うつ病は腸内の善玉菌の量と関係がある

中国の研究グループが発表した、

過敏性腸症候はうつ病の重症度と関連がある

ということについては、

国内においても、

国立精神・神経医療研究センターが報告しています。

 

Association of Bifidobacterium and Lactobacillus in the Gut Microbiota of patients with Major Depressive Disorder

 

詳しく見る ⇒ 国立精神・神経医療研究センター

 

論文の概要は、

  • うつ病患者では過敏性腸症候群の併発が多い
  • うつ病患者ではビフィズス菌が少ない

ということなのです。

 


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過敏性腸症候群については、

はっきりとした原因がないのに下痢や便秘、腹痛をともなう、不安やストレスを感じると症状が強くなり腸内細菌が関与している可能性が指摘されている

としています。

 

詳しく見る ⇒ ヤクルトはうつ病に良い

 

腸は第2の脳

腸は脳とは関係ない臓器だと思われますが、

腸は第2の脳

といわれるほど密接な関係にあるのです。

 

食物繊維が多い食事療法でうつ病を改善

 

セロトニンは気持ちを穏やかにして幸せを感じさせるホルモンで、

うつ病の原因はセロトニンの減少だともいわれています。

 

うつ病の治療薬は脳内のセロトニンを増やす作用がある薬なのですが、

体内のセロトニンの多くは腸内細菌で作られるのです。

 

詳しく見る ⇒ カルピスやヤクルトはうつ病に良い

 

カルピスなどのプロバイオティクスはうつ病に良いということは多くの科学的研究で明らかにされています。

 

うつ病までには至っていませんが、

  • 不安神経症
  • 神経性下痢

で度々悩まされている私は、

いろいろ試した後にカルピスのC-23ガセリ菌を飲んでいます。

 

詳しく見る ⇒ C-23ガセリ菌を飲んでいます

 

 

ウンチを調べるとうつ病が分かるといわれるほど、

腸内細菌とうつ病の関係が明らかになっています。

 

うつ状態が苦しいときには抗うつ薬で回避することは必要ですが、

抗うつ薬だけではうつ病の根本的な解決にはならないのです。

 

食生活で腸内細菌を改善することできますし、

腸内の善玉菌を増やすとされるヨーグルトや乳酸飲料も数多く販売されています。

 

あなたも、あなたに合ったプロバイオティクスで腸内細菌を改善してうつ病を改善してください。

 

 

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