ピルを服用する女性はうつ病になりやすい

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。

精神疾患の新薬開発を行っていた私が言うのも何ですが、

最近はうつ病は生活習慣病だとも言われるように、

薬だけに頼らず食生活・運動などを含めた生活習慣の見直しも重要だとされています。

さて今日も科学的根拠に基づいたうつ病関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

女性は男性よりうつ病になるリスクが高いといわれています。

女性は男子に比べてうつ病になるリスクが2倍も高いといわれています。

女性がうつ病になるリスクが高いのは、ホルモンが関与していると考えられています。

妊娠や出産におけるうつ病や生理前症候群など女性特有の疾患も多いのです。

 

避妊の目的でピルを服用している女性も多いのですが、ピルは女性ホルモンが主成分です。

ピルの服用はうつ病と関係があるのでしょうか?

 

オランダの研究グループはピルの服用はうつ病を発症させると報告しています。

あなたの気分がすぐれないのもピルの影響でありませんか?。

 

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ピルは女性のうつ病のリスクを高める

うつ病は男性より女性に多く、その原因はホルモンの影響だといわれています。

避妊の目的でピルを服用している女性も多いのですが、ピルはエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが主成分です。

女性ホルモンを含むピルの服用はうつ病の原因にならないのでしょか?

 

ピルはホルモンだからうつ病になりやすい

デンマーク大学の研究グループは、

 ホルモンによる避妊法とうつ病との関係

についての論文を報告しています。

 

Association of Hormonal Contraception With Depression.

Millions of women worldwide use hormonal contraception. Despite the clinical evidence of an influence of hormonal contraception on some women’s mood, associations between the use of hormonal contraception and mood disturbances remain inadequately addressed.

CONCLUSIONS AND RELEVANCE:
Use of hormonal contraception, especially among adolescents, was associated with subsequent use of antidepressants and a first diagnosis of depression, suggesting depression as a potential adverse effect of hormonal contraceptive use.

くわしく見る ⇒ 原著論文

 

コペンハーゲン大学の研究グループは、

  • うつ病歴がない、
  • 15~34歳の女性106万1,997人(平均年齢24.4歳)を対象に、
  • 平均6.4年間追跡調査

したのです。

 

その結果、

ピル非使用群に比べて、

  • 混合ピル服用群 : うつ病のリスクが1.23倍高い
  • ミニピル服用群   : うつ病のリスクが1.34倍高い

ということが分かったのです。

混合ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合剤で、ミニピルとは黄体ホルモン単剤のピルです。

 

さらに、

  • 貼付型避妊パッチ : うつ病のリスクが2.0倍高い
  • 膣内装着膣リング   : うつ病のリスクが1.6倍高い
  • 子宮内避妊システム  : うつ病のリスクが1.4倍高い

ということも分かりました。

 

また、

ピル使用者の年齢とうつ病との関係では、

若いほどうつ病のリスクが高く、

15~19歳でのピル服用者のうつ病のリスクは、

  • 混合ピル服用群 : うつ病のリスクが1.80倍高い
  • ミニピル服用群 : うつ病のリスクが2.20倍高い

という結果が得られたと述べています。

 

研究グループは結論として、

女性ホルモンを避妊の目的で使うとうつ病になるリスクが高く、特に若い女性で多い傾向にあった。
これは、女性ホルモンの副作用であるのかも知れない。

 

と記しています。

 


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女性ホルモンとうつ病の関係

デンマークの研究グループは、adverse effect (副作用)と述べていますが、

女性ホルモンとうつ病との関係は多くの論文で明らかにされています。

 

女性ホルモンとは、

  • 卵胞ホルモン(エストロゲン)
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)

を指すわけですが、

女性ホルモンの中でも特にエストロゲンがうつ病と大きな関係にあるのです。

 

エストロゲンは、脳内の神経伝達物質の働きに影響を与えていることが分かっています。

女性ホルモンは、

  • 月経の周期ごとに分泌が変動
  • 妊娠や出産の際も大きく変化

ますし、さらに、

  • 思春期
  • 閉経移行期
  • 更年期

においても分泌量が不安定になります。

 

女性ホルモンの分泌が不安定になったり、減少すると、ストレスを受けやすくなり、抑うつ症状やうつ病を引き起こす原因となるのです。

 

女性特有なうつ病や気分障害は、

  1. 月経前不快気分障害(PMDD)
  2. 月経前症候群(PMS)
  3. 妊娠中うつ病
  4. 産後うつ病
  5. マタニティーブルー
  6. 更年期うつ病

など、たくさんあるのもこのためなのです。

 

ピルを服用して「ゆううつな気分」になったらそれはホルモンの影響かも知れません。

ピルを服用して「ゆううつな気分」になったら主治医と相談してみたらいかがでしょうか?

 

 


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