うつ病で薬物依存にないためには

最近、眠れない。

いつも不安で先のことばかりが気になる。

仕事にも趣味にも集中できない。

こんな症状を感じていても、なかなか精神科を受診するには勇気が要ります

どうしてでしょうか、

  • 精神科に行ったら薬漬けにされそう
  • 精神科の薬は依存性がありそう

こんな不安から、精神科の受診を躊躇してしまう方が多いのですが、あなたは如何ですか?

確かに、あまり診療もしないで気軽に薬を処方する医者もいるし、依存性のある薬もあるのです。

しかし、何かおかしいと感じながら受診しないのはもっと良くないのです。

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精神科に行くのがどうして怖いのか?

もしかしたら自分はうつ病かもしれない、と思ってもなかなか精神科を受診する気にはなれないかも知れません。

精神科で処方される薬には抵抗がある

そんなモヤモヤから精神科を受診できずにいる人がたくさんいるのです。

そそれにはの背景には、

  1. 精神科が怖い
  2. 向精神薬が怖い

という2つがあります。

精神科という診療科と精神科で処方される薬、向精神薬には偏見や誤解も多いのです。

 

しかし、最近の精神科は、「心療内科」という名称や、「神経科」や「不眠症外来」などと、違和感のない名称に代わってきています。

また、精神保健福祉法などの条文中にある「精神病院」の表記も2005年に廃止され、「精神科病院」に代わり、かつての鉄格子の入った閉鎖病棟の重苦しいイメージはなくなったはずです。

街中の「心療内科」クリニックはそんなに入りにくいものではないはずですし、あなたがクリニックに入るところを誰も気に留めてはいないのです。

 

確かに、心療内科で処方する抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬をはじめとする向精神薬の中には依存性がある薬もあることには間違いがありません。

しかし、実際には、精神科医は他の診療科の医師よりも薬の依存性については習熟し慎重に処方するようになっています。

 

うつ病を始め、精神科の範疇にある疾患については、

独りでうつうつと悩むのがいちばん良くないのです。

  • 自分で生活習慣を変える
  • 自分で乗り越える

ことが無理だと感じたら、積極的に医師の診療を受けるべきでしょう。

 

薬が嫌なら、「薬は要りません」と断っても良いのです。

医者の診断を受けることは、客観的に自分の状態を判断してもらうことなのです。


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うつ病の薬は依存性のあるものばかりではない

精神科には行きたくない思いの背景には、薬の依存性に対する心配が一番だと思います。

心療内科で処方される薬の中で、特に依存性が問題になるのは、

  1. 抗不安薬(安定剤)
  2. 睡眠薬

として処方される薬です。

抗不安薬や睡眠薬として良く処方されるのは、ベンゾジアゼピン系といわれる薬で、脳のGABA-A受容体に作用して脳の働きを抑制する作用があります。

GABAは中枢神経系を抑制する脳内神経伝達物質ですが、ベンゾジアゼピン系薬はGABAの作用を増強し、脳の活動を抑制することによって不安や緊張を和らげ、睡眠に導く効果があるのです。

特に、短時間型といわれる即効性があり比較的効果の持続が短い(半減期が3~6時間程度)ものは依存性が強くといわれています。

  • クロチアゼパム (リーゼ)
  • エチゾラム (デパス)
  • フルタゾラム (コレミナール)

などですが、処方制限がなかったデパスは向精神薬に指定され、処方は30日分と規制されるようになりました。

 

睡眠薬として処方されるベンゾジアゼピン系の薬物は、

  • トリアゾラム (ハルシオン )
  •  エチゾラム (デパス)
  •  リルマザホン  (リスミー)

などです。

依存は薬をやめた後に現れる

ベンゾジアゼピン系以外の向精神薬でも依存に陥ることもなくはありません。

しかし、

依存ではない状態でも「自分は依存だ」と思い込む人が多いのです。

長期間の服用 = 薬物依存  ではありません。

依存とは、薬をやめた後に反動が来現れる状態です。

 

長期間の服用をしても依存症は現れません。

依存症は長期間服用後に現れる症状です。

 

例えば、

  1. 薬で症状を抑える
  2. 症状が消える
  3. 薬を止めたら症状が復活

これは、薬物依存ではありません。

 

  1. 薬で症状を抑える
  2. 症状が消える
  3. 薬を止めたら症状が復活し更に新たな症状が出る

これが、薬物依存で、「更に新たな症状」が依存症状なのです。

減薬は医者の指示に従う

薬漬けになった、、、と勝手に止める人もいるのですが、素人判断は危険です。

  • 増えた薬を減らす
  • 薬の量を減らす

増えた薬、増えた薬の量を減らすことも「減薬」ですが、減薬は医師の指示に従って、プロセスを踏んで慎重におこなうことが必要です。

かつては、

薬が効かないからと言って次々と新たな薬をプラスし、最終的に5種類、6種類の薬を処方されるようなこともあったようですが、

最近は、

単剤処方が基本です。

最初は、

  1. 単剤の少量投与から始め、
  2. 効果がなかったときには増量、
  3. 更に効果がなかったときには新たな薬に切り替える

というような処方の仕方に変わってきているはずです。

向精神薬は必ず減薬、離脱できる

処方薬は必ず減薬や服薬中止はできますから、正しいステップを踏んで、慎重に進めて下さい。

投薬過程は、

  1. 変薬期
  2. 安定期
  3. 減薬期

の3段階に分けられます。

  1. 患者の症状に合った治療薬と量を見つける
  2. 患者の症状を緩和する
  3. 緩やかに減薬し離脱する

というプロセスですが、

重要なことは、

 治療薬により症状が緩和したら自分でもリハビリをする

ということです。

多くの人が忘れているのですが、

 症状が緩和したら自分でもリハビリをする

ことを忘れてはいけません。

 

  • 骨折患者は骨が繋がったら歩行訓練をする
  • 胃がんで胃切除した患者は新たな食事法をトレーニングする

 

うつ症状で落ち込んだあなたは、治療薬で症状が緩和したらどうしますか?

このことが一番重要なのです。

 

うつ病の精神科もうつ病の治療薬も怖いものではありません。

自分で気持ちがコントロールできないときには、専門家のアドバイスが一番重要で、

独り思い悩むことはいちばん良くないことです。

自己判断による断薬や減薬は絶対にやめるべきです。

医師との信頼関係があなたの症状改善の上で重要です。


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