うつ病では心筋梗塞が2倍も多い

心筋梗塞をご存じですか?

心筋梗塞は心臓に栄養や酸素を送る冠動脈が詰まって血流量が下がり心筋が死んでしまう疾患です。

心筋梗塞を発症すると致死率は約20%

死亡者の半数は発症後24時間以内に死亡するという非常に死亡率が高い疾患です。

国内の死亡原因では、がんに続いて第2位で、死亡原因の15.6%を占めているのです。

うつ病では心筋梗塞の発症が2倍も高いのです。

うつ病は心筋梗塞などの循環器疾患を発症させる原因になっていることをご存じですか?

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 うつ病では心筋梗塞が2倍も多い

うつ病では心筋梗塞になりやすい?

うつ病と心筋梗塞とは全く関係のない病気のように思いますが、

うつ病になると心筋梗塞を2倍も起こしやすくなる

のです。

これは、

精神的ストレスと急性心筋梗塞との関連を調査した国際研究で明らかにされました。

詳しく見る ⇒ 国立研究開発法人国立循環器病研究センター

 

この研究は、

世界52か国の24,767人を対象にした疫学調査で、

  1. 急性心筋梗塞患者 : 11,119人
  2. 健常者  : 13,648人

ついて、

  • 社会的ストレス
  • 抑うつ症状

を調べたのです。

その結果、

ストレスや抑うつ症状がある人は1.55倍心筋梗塞になりやすい

ことが判明したのです。

 

抑うつと心筋梗塞の関係については、

抑うつがあると

  • 東洋人は2.08倍も心筋梗塞になりやすい
  • ヨーロッパ人は1.37倍

ということも明らかになり、

東洋人はヨーロッパ人よりも抑うつにたいする順応性が弱いことも分かったのです。

ストレスは免疫力を低下させる

うつ病になると心筋梗塞を2倍も起こしやすくなるのですが、どうしてうつ病になると心筋梗塞を起こしやすくなるのでしょうか?

ストレスを受けると体内ではストレスホルモンが分泌されます

ストレスホルモンとは、副腎皮質から分泌されるコルチゾールと呼ばれるホルモンです。

コルチゾールはストレスに対処するために副腎皮質で分泌され、

血糖値を上昇させてストレスに対処するエネルギーを確保する作用や炎症を抑える働きがあるのですが、

同時に、

  • 高血圧
  • 高コレステロール
  • 心拍リズムの乱れ
  • 高血糖
  • 血液がドロドロ

などを引き起こし、心筋梗塞の原因である動脈硬化を促進するのです。

 

さらに、

ストレスは交感神経を興奮させることによって、

  • 心拍数増加
  • 血管収縮
  • 血圧上昇

などがおこり、

このような症状が相まって心筋梗塞を引き起こすのではないかと考えられているのです。


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うつ病での心筋梗塞は予後が悪い

うつ病では心筋梗塞に2倍もなりやすいことを分かっていただけたと思いますが、

うつ病では心筋梗塞の予後が悪いことが知られています

予後とは、“その病気の患者の経過と結末に関する見通し”のことで、

具体的には、うつ病で心筋梗塞になると死亡する割合が高いということです。

うつ病では病気の予後が悪い

しかし、

予後が悪いのは心筋梗塞だけではありません。

 

国立精神・神経センター武蔵病院では、

うつ病は脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、がんの予後が悪い

という研究結果を発表しています。

詳しく見る ⇒ 国立精神・神経センター武蔵病院

 

心疾患については、

  1. 脳卒中の発症が2.3~2.7 倍も高い
  2. 冠動脈疾患患者の 5人に1人、うっ血性心不全患者の 3人に1人がうつ病
  3. うつ病に心筋梗塞を併発すると6ヵ月後の死亡比は5.7

 

糖尿病では、

  1. 糖尿病患者ではうつ病が3倍も多い
  2. 糖尿病にうつ病を合併すると血糖低下が悪い

 

がんでは、

  1. うつ病を合併するとがん患者ではQOL が低下する
  2. うつ病は免疫を低下させてがん進展に悪い影響を与える

 

などとしています。

 

これらの関連については詳細は分かっていないのですが、

  • うつ病による不規則な健康習慣
  • ストレスに伴って分泌されるホルモンの影響

が原因ではないかと考えられています。

 

うつ病では心筋梗塞の発症が2倍も高いのです。

その原因はストレスなのです。

  • ストレスに対する対処法
  • ストレスの解消法

これをトレーニングすれば、

うつ病と心筋梗塞の両方を予防できるのです。

 


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