産後クライシスを予防するには思いやり

産後クライシスとは、出産後に夫婦関係が急速に冷え込む状態です。

赤ちゃんを得ることは夫婦にとって喜びなのですが、出産を契機に夫婦関係が冷え込み離婚に発展する夫婦も多いのです。

産後クライシスは、夫だけ、妻だけ、の責任ではなく、夫婦の責任なのです。

産後クライシスを予防するには、お互いの思いやりが重要です。

産後クライシスとは

最近、「産後クライシス」という言葉を良く見聞きします。

産後クライシスという言葉は医学用語ではなく、NHKが作った造語で、2012年にNHKの「あさイチ」という番組の中で初めて使われました。

産後うつ病は産後クライシスの原因でもある

クライシス(crysis)とは、危機、破壊などの意味の英語ですが、NHKでは、「産後における夫婦関係の破壊」の意味で産後クライシスという言葉を使ったのです。

産後クライシスの定義としては、

 出産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状況

だとしています。

くわしく見る ⇒ 産後うつ病は産後クライシスの原因

厚生労働省の調査では、離婚が最も多いのは、子供が0歳~2歳の時期だということで、産後クライシスが発展すれば離婚に繋がる可能性が非常に高いのです。

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産後クライシスは良くあることです

先日(5月24日)の毎日新聞の投書欄(憂楽帳)に、女性の方から下記のような投稿がありました。

簡単に要約しながらご紹介しましょう。

 

2年前の冬になりますが、出産後に息子が体調を崩して入院しました。生後2ヵ目ですので、私も一緒に泊まり込んで介護をしましたが、大部屋でしたので非常に気を遣いました。
10日間の入院でようやく回復し退院することになりましたが、退院の朝に息子がミルクを吐き戻してしまったために、着替えや吐いたものの掃除などで手間取り、夫が迎えに来たときには退院の準備がまだ終わっていませんでした。
荷物の整理が終わっていない様子を見て夫は、
他のお母さんはできているのに、お前は母親失格や
といったのです。
 子供ができれば夫婦の絆は強くなると思っていたのですが、現実は逆でした
子供ができてからというもの、育児の方針、家事の分担、実家との関係などについて意見が食い違って衝突してばかりで、終いにはののしり合いに発展してしまうこともしばしばで、夫の配慮のない言葉や言動に傷つくことも数多く、夫婦間の溝は深くなるばかりです。
出産を契機に夫婦関係が冷え切り、崩壊するという産後クライシス、まさしく我が家もその真っ最中です。
ベネッセによる調査では、妻が夫への愛情を実感している比率は、妊娠中は74%だが子供が2際になる頃には34%に減るというが、良く分かります。
苦しいときにはお互いにいたわり合える夫婦になりたいと願っていたのですが、なかなか難しいことを実感しています。

子育てを卒業した友達からは、我が家もいろいろあったのよ、と笑っていわれますが、私もほほえみながら同じことをいえる日が来るのでしょうか、、、、。

長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。

文面から察すると、この女性は約2年間、冷え切った夫婦関係の中にいるのですね。

しかし、離婚したいとは一言も言っておられないので、毎日、辛い環境に耐えているのでしょう。

最近は女性の方から離婚を切り出すことが多くなったといいますが、幼児を抱えて経済的なことを考えると簡単に離婚に踏み切るのは難しいのが現状でしょう。


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産後クライシスの予防は思いやり

上の方のパターンでは、産後クライシスに発展したきっかけは、

他のお母さんはできているのに、お前は母親失格や

という一言ですが、夫からこの言葉が出るからには、以前からそれなりの背景があったのでしょう、、。

イラついた夫が何気なく口から出た一言でしょうが、この一言を言った夫ばかりが悪いわけではありません。

夫にすれば、妻に対する不満が積み重なり、思わず出てしまったのでしょう。

産後クライシスを予防するには思いやり

産後クライシスを予防することは、意外と簡単なことです。
して欲しいことをしっかりと言葉で伝える

これは非常に大事なことです。妻からすれば(いや、夫からにしても)、「そんなこと言わなくても分かるでしょう」、「見ていないで手伝ってよ」という気持ちであっても、やって欲しいことは口に出していうことです。
妻にしても、夫にしても、「言葉にしてもらわないと分からない」のですが、妻の場合にはマタニティーブルーもあり、気分的にイラついてしまいがちですから、充分気を付ける必要があります。

お互いに褒め合い礼を言う

やってくれて当然、分担だから当然、、という気持ちではいけません。
誰でも、褒めてもらったり、お礼を言われたら嬉しいものです。

特に夫は慣れない家事や育児をも手伝っているのです。よくできたね、ありがとう、助かったよ、、と親しき仲にも礼儀ありを忘れないでください。

感謝の気持ちを持つ

最近は、イクメンなどと、夫も育児に参加することは当然のことになってきました。
初めての出産、育児は妻にとっても初体験で戸惑うこともおおいでしょうが、男性にしたら出産や育児に対する情報は妻に比べたらゼロに近く、全く戸惑うことばかりなのです。
仕事で疲れた上に育児にも参加するのですから、多少ドジでも、手間取っても感謝の気持ちを忘れないでください。
もちろん、夫も大切な赤ちゃんのために頑張っている妻をいたわり感謝する気持ちを忘れてはいけません。

 

他の夫婦と比較しない

友達の家庭や近所の方の家庭と比較しないことです。〇〇さんの旦那さんはやってくれるそうよ、△△さんの旦那さんは××もしてくれるそうよ、、、などと、比較してしまいがちですが、それぞれの家庭にはそれぞれの事情があるのです。

もし、して欲しいことがあったら、上にも書きましたように、「〇〇をしてください」と直接伝えることです。婉曲な言い方は相手の尊厳をも傷つけることになりかねません。

自分の心身の変化を冷静に認識すること

産後クライシスの原因のサイトでもご説明しましたが、産後は「ホルモンバランスの変化」によってマタニティーブルーといわれる精神面でとても不安定になり、イライラしたり、悲しくなったり感情の起伏が激しくなります。

このような自分の体調を十分理解して、イライラを相手にぶっつけないようにすることが大事です。
夫も、仕事と育児の補助で精神的にも疲れますし、夜中の授乳でおこされたりでの睡眠不足も重なり、ついついイライラしがちです。しかし、妻も育児と家事で疲れているのですから、自分の感情をストレートに相手にぶっつけずに、寛容の精神を思い出してください。

周りの人に助けを求める

かつては家庭内には祖母、母親など妊娠出産を経験した女性がいて適切なアドバイスや援助が得られたものですが、核家族が進んだ現代では夫婦だけの家庭が標準になりました。
夫と二人の生活ではついつい、険悪なムードに陥ることも多いので、できれば母親の援助を求めるのも夫婦間の絆を修復するきっかけになります。
また、父親が参加する「父親学級」「両親学級」なども増えていますので、夫も当事者意識を持って参加することも必要です。
産後クライシスは、1人で育児の事を全て抱え込んでしまっている場合によく起こりますので、「新生児に特に大変な生後3か月目間」などは実家に帰るのも良い予防策です。

 

産後は夫婦の絆を強める非常に良い機会です。

しかし、一歩間違えれば産後クライシスの危機に陥ってしまいます。

産後クライシスを予防するには、「相手に対する思いやり」が一番大事です。

疲れているのは自分だけでなく相手も同じなのです。

感情をストレートにぶっつけずに、相手を思いやる気持ちを忘れないでください


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