うつ病では全般性不安障害を併発しやすい

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

先日は、うつで心配性なら不安障害かもしれない という記事を書きましたが読んでいただけたでしょうか?

誰でも不安になることは多いものです。

  • 明日の会社のプレゼンを失敗したらどうしよう、、、
  • 今日の営業先で上手く説明できるだろうか、、、

という仕事のことや、

  • 家を出る時に鍵を締めただろうか、、、

というような日常のことまで不安は尽きないものです。

 

不安障害とは、

この不安の程度が激しく、

  • 心臓がドキドキして立っていられない
  • 身体が震えてケイレンしてしまう

というような身体的な症状などが現れて日常生活に支障をきたしてしまうことなのです。

 

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先日の、

うつ病で心配性なら不安障害かもしれない

では、

不安障害は5つに分けられると言いましたが、

今日はその中の1つで、うつ病に併発しやすい全般性不安障害について簡単にご説明しましょう。

 

うつ病に併発しやすい全般性不安障害とは

うつ病では4割が不安障害を併発するといわれています。

なかでも、全般性不安障害はうつ病に併発しやすいと言われています。

 

全般性不安障害とは、

  • いろいろなことが気になってしまう、、、
  • どうしようもないほど不安になってしまう、、、
  • 不安で夜も眠れない、、、、

こんな状況が数カ月も続いている、、

というのであれば全般性不安障害かもしれないのです。

 

通常は不安の種があります。

  • 試験に落ちたら、、
  • プレゼンで失敗したら、、、
  • スピーチでとちったら、、、

 

全般性不安障害では、

明確な不安の種がないのに、全てが漠然と不安に感じてしまう

のです。

 

そして不安が行き過ぎて、

  • 子供が交通事故に遭ったらどうしよう
  • 夫の乗った飛行機が落ちたらどうしよう、、

など、起こりえないようなことまで不、過剰な不安が湧き上がってしまうのです。

 

アメリカでは、全般性不安障害の生涯有病率は5%だといわれ、

20人に1人が一生のうちに一度は全般性不安障害にかかるといわれています。

 

全般性不安障害を自己診断する

全般性不安障害は、

6ヵ月以上、過剰な不安や心配が続いている

のであれば全般性不安障害ではないかと疑われ、

 

下記の6項目の内、

  1. 緊張したり、過敏になり、そわそわと落ち着きがない
  2. 集中力がなく、ボンヤリすることが多い
  3. 刺激に対して敏感に反応する
  4. 疲れやすい
  5. 肩こりや筋肉が緊張している
  6. 不眠や熟睡できない

3項目以上を伴っていると全般性不安障害と考えられるのです。

 


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全般性不安障害の治療と予防

全般性不安障害にもうつ病と同様に脳内の刺激伝達物質であるセロトニンが関与しています。

不安や焦り、緊張という感情には脳内のセロトニンの低下が関係していると言われています。

 

全般性不安障害では脳内でのセロトニンの働きや調節が不安定になり、

生来から不安や情緒不安定で怖がりの性格の人ではセロトニンの不足が全般性不安障害を引き起こす原因になります。

 

全般性不安障害の根本は過度な不安ですから、その治療では不安や心配を軽減させるために、脳のセロトニン神経に作用する抗不安薬が処方されます。

その他にも、

カウンセリングなども効果がありますが、最近はマインドフィルネスヨガなども有効だと言われています。

 

全般性不安障害を予防は生活習慣の見直し

心配や不安は誰にでもあるのですが、全般性不安障害を予防するには生活習慣の見直しが効果的です。

 

生活習慣が乱れると精神状態は不安定になり不安が高まりやすくなるのです。

 

見直すべき生活習慣とは、

  1. 生活のリズムと睡眠
  2. 栄養バランス
  3. 運動
  4. ストレス解消
  5. アルコールの飲み過ぎ

です。

 

 

睡眠不足や不規則な生活リズムが続くとではイライラしたり気持ちが不安定で考え方もネガティブになってしまいます。

充分な質の高い睡眠をとるためには規則正しい生活が重要で、夜更かしをしたり、眠いからといって早寝するような不規則な生活リズムを治し、

早く寝て早く起きるような規則正しい生活を送ってください。

十分な睡眠を取るだけで気分が晴れ、それだけで不安や心配を解消できるのです。

 

規則正しい生活を送るためには、規則正しい食事が重要です。

 

食事の間隔が不規則だったり、朝食や抜いたり、深夜の間食などでは生活のリズムが乱れます。

ファストフードが多い食生活では脳に必要な栄養素が不充分で、気分が不安定になり不安が高まってしまうことのです。

1日3食、規則正しくバランス良く食べているか見直してください。

 

 

運動不足になっていませんか?

運動でいい汗をかけば気持ちも前向きに、ストレスも解消できるため、

運動による適度な疲労は質の高い睡眠をとるために重要で、不安や心配の解消に大きく役立つのです。

 

ストレスは不安や心配を感じやすくなります。

仕事上のストレス、家庭のストレスなど誰でも多くのストレスを抱えているのですが、

自分に合ったストレス解消法を見つけてください。

運動や趣味ばかりでなく、友人やカウンセラーと話すこともストレス解消には大きな効果を示します。

 

ストレスを解消するために、不安を取り除くために、とアルコールを飲む人も多いのですが、

適度なアルコールは、気分も高揚させてストレス解消に役立ちますが、過剰なアルコール摂取では精神状態の不安定化には逆効果です。

特に、酔った翌日にはハングザイエティーといってより不安を高めてしまうのです。

 

 

 

 

うつ病ではかなりの高頻度で不安障害を併発するため、

全般性不安障害はうつ病の症状の一つとして見逃されてしまうことも多いといわれていま。

  • うつ病の治療をしているのになかなか治らない
  • うつ病の治療をしているのに不安と心配でたまらない

というのであれば担当医に相談した方が良いかもしれません。

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