自分がうつ病になるとは思わなかった

イーライリリー社は、プロザックに続きジプレキサ、サインバルタなどの抗うつ薬を販売し精神科領域では世界トップを走る製薬会社です。

そのイーライリリー社が、

うつ病患者の疾患に対する認識および回復の途上における周囲との関わりについて明らかにする

という目的でうつ病患者の実態調査をおこない、その結果が公表されました。

うつ病患者の60%が「自分はうつ病になるとは思っていなかった」と考えていたそうですが、

問題は、

うつ病の症状に気づいてから受診するまでに1年以上もかかっていた

さらに、

それがうつ病の症状だとは思わなかった

と答えている人も非常に多いのです。

不調に気づいたら早めに医療機関を受診してカウンセリングを受けることが早期回復に繋がるのです。

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自分がうつ病になるとは思わなかった

精神科領域では世界トップのイーライリリー社は、

「うつ病患者の疾患に対する認識および回復の途上における周囲との関わりについて明らかにする」

という目的で、

  • うつ病と診断されたが現在は社会生活に復帰している
  • うつ病と診断されたが社会生活への復帰向けて調整している

るという、

  • 20~60歳代の男女517名

を対象に、

  • 2016年11月17日~11月18日にインターネットによるアンケート調査

を実施し、2月24日にその結果を公表しました。

うつ病に関する患者調査 ~多様な症状に対する理解の不足により、相談が遅れる実態が浮き彫りに~

詳しく見る ⇒ イーライリリー社プレスリリース

 

その結果、さまざまなことが明らかになりました。

自分がうつ病になるとは思っていなかった

医療機関を受診して、うつ病と診断される前に、

Q:自分がうつ病になる可能性があると思っていたか?

との質問には、

59.8%が「自分がうつ病になるとは思っていなかった」

と回答しているのです。

うつ病患者では自分はうつ病にならないと思っている人が多い

さらに、

  • 自分には縁がなく、一部の人だけに関係する病気である
  • メンタルの弱い人におきる病気である

と考えている人が30~50%もおり、

  • 気持ちの持ちようなので、自分で頑張れば治せる病気
  • 少し休めばすぐに治る病気だ

と考えている人が20~30%もいることが明らかになりました。


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受診までに半年もかかっている

Q:うつ病の症状を感じてから医療機関を受診するまでの期間は?

との質問については、

  • 1年以上 : 27.3%
  • 6か月~1年未満 : 7.7%

と、35%の人はうつ病の症状を感じてから医療機関を受診するまでに6ヵ月以上もかかっているのです。

だれでもが自分はうつ病になるとは思わなかったと思っているのです

どうしてうつ病の症状に気付いてから受診までに6ヵ月以上もかかったのかには、

  1. 自分の頑張りや気持ちのもちようで解決できると思った : 45.9%
  2. 性格の問題で病気ではないと思った : 35.4%
  3. 疲労が原因で休めば解決すると思った :  31.5%

と答えており、

イーライリリー社では「うつ病に対する理解の不足が受診を遅らせている」ことが明らかになったとしています。

どんな症状を医者に伝えたか

うつ病の症状を感じてから、医療機関を受診するまでには半年以上かかった人が1/3もいたのですが、

  • 受診したときにどんな症状があったのか?
  • 医者にはどんな症状を伝えたのか?

とのことも質問しています。

 

医者に伝えた症状とは、

  1. 楽しいことが気がすすまず、やる気がでない : 77.7%
  2. だるく疲れやすく、疲れがとれない : 77.6%
  3. 早く目がさめる。なかなか寝付けない : 74.0%
  4. ものごとを悪い方に考えてしまう : 73.1%
  5. 不安にかられ、きどきしたり、いてもたってもいられなくなる : 71.6%
  6. 気分が重苦しく、泣きたくなる : 71.0%

が多い症状です。

そして、

医者に伝えなかった症状として、

  • 気分が重苦しく、泣きたくなる
  • 楽しいことが気がすすまず、やる気がでない
  • 食事が美味しくなく食事がつまらない
  • 不安にかられ、きどきしたり、いてもたってもいられなくなる
  • ものごとを悪い方に考えてしまう
  • 早く目がさめる。なかなか寝付けない

が挙げられています。

これらは、70%以上の人が医者に自覚症状として伝えていたのですが、

これらの症状を感じながら、「医者には伝えなかった」というのです。

伝えなかった理由は、

うつ病の症状だと思わなかった

というのです、、、。

 

イーライリリー社では、

うつ病に対する理解の不足が受診を遅らせている実態が浮き彫りになった

としていますが、

約30%の人が、

病気かもしれないとは思ったが受診には抵抗があったから

と答えています。

これは、

  • うつ病と診断されたら学校や会社に影響がある
  • 抗うつ薬を飲み始めたら薬漬けになる

などの間違った認識があるからかもしれません。

うつ病の治療には、休養精神療法薬物療法などがあり

必ずしも服薬は必須ではないのです。

そして、

早ければ早いほど回復も早い

のです。

 

さらに、今回のうつ病の実態調査では、

「周囲の理解が回復に繋がる」

ということも明らかになったそうです。

このことについては明日にでもお伝えいたします


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