受験うつ病から子供を守る方法
勉強してる?と親が声をかけると、ウルさい!、放っといてくれ!とどなる。
試験前なのに一向に勉強している気配がなくゲームに夢中。
朝の登校前に体調が悪いと訴えるが、学校に欠席の連絡をするととたんに元気になる。
こんな態度や様子は典型的な受験うつ病かも知れません。
受験うつ病を治して無事に合格させるには受験うつに精通した医者の適切なケアが必要です。
受験うつ病とは
受験うつ病、とは、受験期に発症したうつ病のことです。
最近、未成年者におけるうつ病の発症が増加しており、厚労省の調査ではおよそ15万人が受験うつ病に陥っていることがわかっています。
成人のうつ病では、
- 落ち込んだり
- 悲しみを感じたり
することが多いのですが、
受験うつ病や思春期のうつ病では、
- 悲しみよりもイライラが症状の特徴
だと言われます。
- 不機嫌
- 欲求不満
- すぐに怒る
- 敵意
などが受験うつ病の症状の特徴だといわれています。
勉強する気をなくし、勉強もせずにテレビゲームやアニメばかりやっている、、、
注意すると、
- うるさい!
- ほっといてくれ!
- 邪魔するな!
と声を荒げる、、、。
こんな症状が受験うつ病の典型的な症状なのです。
2013年10月に行われた受験うつ病の調査では、
10~20代の男女400人を対象に調べたところ、
- 思考力や集中力・記憶力が低下した
- 無気力・悲観的な考えになってしまう
- 睡眠障害などのうつ症状と見られる症状を感じたことがある
と答えたヒトは全体の76.6%にも達し、
受験うつ病は受験生にとっては誰にでもなりうる身近な問題なのです。
受験うつ病は9月に急増する
「うつ予防ナビ」を運営し、うつ病の治療や予防の啓蒙活動をおこなっている一般社団法人・日本メンタルヘルス研究センターと、受験生専門の心療内科を開設している本郷赤門前クリニックは、2016年8月末に、
「大学入試に挑む受験生のメンタル調査」
の結果を公表しています。
この調査は、
- 都内の受験生(高校3年生)を対象に、
- 2015年4月から1年間に亘って、
- 受験生のメンタル面(抑うつ症状の強さ)の推移と要因
を調べたものです。
受験生の抑うつ症状の程度は、日本メンタルヘルス研究センターがHAM-Dハミルトンうつ病評価尺度を受験生の実情に合わせて改訂した、「受験うつ病評価尺度」を用いて評価しました。
その結果、
受験生のうつ症状が高かったのは2月と3月
であることが判明しました。
さらに、
前月よりもうつ症状が急増したのは9月
であることも明らかになりました。
9月に子供のうつ症状が急増する理由
1月と2月にうつ症状が多いのは、この時期から入学試験が開始されるからだと思われます。
調査では、9月にうつ症状が急増する特異的な要因を分析しており、
- 夏休み中の生活リズムの乱れ : 59%
- 新学期への不適応 : 53%
- 成績不振のストレス : 35%
- 親や先生への反発 : 29%
が多かったと述べています。
夏休み中には、
- 夜更かし
- 朝寝坊
などにより生活のリズムが乱れ、
9月に新学期が始まっても、
- 生活リズムを取り戻すのが困難になり、
- 睡眠不足に伴うストレス耐性が低下し、
- 受験うつ病に陥る
というパターンが多いというのです。
受験うつ病の症状
日本メンタルヘルス研究センターと本郷赤門前クリニックでは、受験うつ病では、
- イライラして親や周囲に当たる
- 成績が著しく低下する
- 登校時に頭痛や吐き気などの投稿拒絶反応が起こる
- 勉強に対して無気力でゲームなどに夢中になる
- 成績が下がったのは親のせいだと当たる
- 親が声をかけると「うるさい! 」などと声を荒らげる
などの症状に加えて、
- 自信喪失
- 自己肥大
- 他責や自責
なども認められるそうです。
受験うつ病は、風邪などと違い休養だけでは治らないことも多く重篤化を避けるためには早めに心療内科を受診すべきだと日本メンタルヘルス研究センターは薦めています。
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受験うつ病を予防するには
今回の調査を行った、本郷赤門前クリニックは、日本ではじめて受験うつ病を専門に扱う心療内科クリニックです。
本郷赤門前クリニックの院長を務める、吉田たかよし氏はちょっと変わった経歴の持ち主で、
- 灘中学校・高等学校を卒業
- 東京大学工学部を卒業
- 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
- NHKに入局、ひるどき日本列島や野球実況を担当
- 北里大学医学部に学士入学・卒業
- 東京大学大学院医学博士課程修了
- 元自由民主党幹事長・加藤紘一の公設第一秘書
- 衆議院議員総選挙に立候補し落選
- 本郷赤門前クリニックを開設し、院長を務める
など、さまざまな経歴を持っています。
「受験生を専門に扱う心療内科」を開設し、
、という本も出筆しています。
また、受験うつを予防するセミナーも度々行っています。
吉田氏は、
「ストレスを征する者は受験を征する!」と述べています。
受験生を持つ多くの親は、
- ストレスは精神力で乗り越えられる!
と思っている人が多いが、これは間違いで、
- ストレスが高まると脳の認知機能が低下して試験成績が大幅に悪化する
ことがは、多くの科学的実験で明らかにされており、
- 合格を勝ち取るためには学力も必要だが受験ストレスを上手にコントロールする
ことが重要だと述べています。
子供のストレス管理は親の責任
吉田氏は、
- 学力アップは 受験生と塾の役割
- ストレス管理は 親の役割
だと指摘しています。
ストレス管理は親の責任だとする理由は、
受験ストレスは夕食時における会話で分かる
からだとしています。
夕食は受験生のストレスをチェックするためのゴールデンタイムで、「受験ストレスは夕食での会話でわかる」は心療内科の医師の間でよく知られている格言でもあるそうです。
夕食の時間は1日の中で最もリラックスできる時間ですから、精神的な問題が現れやすい時間なのだそうです。
受験生を持つ家庭では、余計なプレッシャーをかけないようにと、余計な会話をしないようにと無言で簡単に夕食を済ませるように努める家庭が多くいのですが、受験生のストレスチェックをチェックし、ストレスを解消するには家族との会話や団らんが一番だというのです。
いかがでしょうか?。
あなたの家庭では夕食時に会話をしていますか?
夕食時の何気ない会話の中に、
- 焦燥感
- 不安感
が現れることが多いのです。
それを充分くみ取ってあげていますか?
夕食時の何気ない会話をしっかり観察すれば、受験ストレスの状態を把握することができるのです。
学力アップは受験生と塾の役割ですが、ストレス管理は親の役割であり、
合格を勝ち取るためには、
- 学力向上
- ストレス解消
の両方が必要なのです。
ストレスの管理は、
受験生任せにするのではなく、
親が全面的に肩代わりして背負ってあげる必要がある
そうなのです。
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