引きこもりとうつ病の違いをご存じですか

2016年9月7日に内閣府は「ひきこもり」実態調査ともいえる

『若者の生活に関する調査報告書』

を発表しました。

これによると、

6ヵ月以上家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる引きこもり

54万1,000人もいる

ことが明らかになりました。

引きこもりというとうつ病と思われがちですが、

うつ病と引きこもりは全く違うのです。

引きこもりとうつ病に対する接し方は全く違うのですが、

あなたは正しく接していますか?

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引きこもりが54万人

若者の生活に関する調査は、「若者の就労や生活の状況等について調査し、今後の子ども・若者育成支援施策の参考とすること」を目的に行われるものです。

調査対象は、

  • 本人調査 : 満15歳から満39歳までの者 5,000人
  • 家族調査 : 満15歳から満39歳までの者と同居する成人家族 約5,000人

であり、

調査内容は、本人及び家族に、

  1. 本人調査基
  2. 本的属性について
  3. 学校生活に関すること
  4. 就労に関すること
  5. 普段の活動に関すること
  6. 相談機関に関すること

を問うものですが、

いわば、

 引きこもりの実態調査

ともいわれるものです。

その結果、

 6ヵ月以上家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる「ひきこもり」が54万1,000人(率は1.57%)

ということが明らかになりました。

詳細では、

  1. 引きこもりになった年齢 : 15~24歳で65.3%
  2. 引きこもり5年以上 : 46.9%

と、高齢化、長期化しており、非常に深刻な状況だといえます。

引きこもりとうつ病の違いを理解してください

しかし、

前回調査(2010年)の69万6,000人(率1.79%)に比べて15万5、000人程度減少

していることから、

内閣府では、

引きこもりの人への支援がある程度効いたのではないか

と、コメントしています。

引きこもりとは

引きこもりとは、どのような状態をいうのでしょうか、

厚生労働省では、引きこもりを、

6カ月以上、通学や仕事をせずに他人と関わる外出をせずに家にいる人

と定義しています。

上に述べたように、内閣府は2010年にも同様な全国調査を行っていますが、自治体レベルでも行われており、

秋田県藤里町が訪問調査により引きこもりの実態調査をおこなったところ、

  • 18歳~54歳における引きこもりの人は8.7%

と報告しています。

出典 : 2013年10月28日(月)放送のクローズアップ現代「ひきこもりを地域の力に~秋田・藤里町の挑戦~」

内閣府の調査について、

徳島大の境泉洋准教授は、「内閣府の対象は39歳までであり、さらに高齢者を含めた実態に即した調査が必要だ」と述べています。

秋田県藤里町の調査でも、勤め先がないとして、家に籠もってゲームに明け暮れる人も多く、働きたいけど働けないとして引きこもる人が多いことも明らかになっています。

境泉洋准教授は、

若者支援や雇用状況の改善がひきこもりの減少につながっる可能性があるが、

しかし、

家族も2年を過ぎると諦めの気持ちが強くなり長期化する傾向があり、

早期解決が大事だと述べています。


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うつ病と引きこもりは違う

上に書きましたように、

厚生労働省では、引きこもりを、

 6カ月以上、通学や仕事をせずに他人と関わる外出をせずに家にいる人

と定義していますが、

うつ病の患者でも長期に亘って引きこもる人が多く、

引きこもり=うつ病

と思われがちです。

うつ病と引きこもりはちがう

しかし、

うつ病と引きこもりは違うのです。

厚労省では、うつ病の定義として、

  1.  学校や就業をしないでいること
  2.  自宅にひきこもっていること
  3.  人間関係がきわめて希薄であること
  4.  6ヵ月以上継続していること
  5.  精神疾患が原因でないもの

としているのです。

 

引きこもりになると、周囲の人は、うつ病になったのではないかと考えてしまうのですが、

引きこもりはうつ病と似ているのですが、実は、全く違うのです。

うつ病と引きこもりには、はっきりとした差が存在し、「うつ病」と「引きこもり」は別物なのです。

 

うつ病には多くの原因がありますが、一つには脳内物質の異常(セロトニン不足など)によるもので、

外に出て行きたくとも出ていけない

のです。

うつ病の人が引きこもるのは、

  • 外に出てみたい
  • 出たいけど出れない

といったジレンマの中で孤独に戦っている時で、引きこもりとは異なるのです。

確かに、

うつ病の人が外に出て、

  • 太陽を浴びる
  • 人と接触する

ことは、うつ病から脱却するには非常に有効なことでもあるのですが、気分が落ち込んだときには「気晴らしに散歩でもしてみるか」といった考えが思い浮かぶような状態ではないのです。

うつ病の本人が、「外に出て散歩でもしてみよう」と思えるようになることが重要なポイントで、

家でじっとしていたいと思うときには無理に外に出て散歩などしなくて良いのです。
うつ病の人にとっては、「無理解」が一番の負担なのです。

 

引きこもりの人には、それぞれの理由があります。

  1. 学校で授業についていけない
  2. いじめられる
  3. 仕事が合わない
  4. 上司が怖い

などさまざまですが、それらの原因を充分に聞いて対処する必要があります。

 

引きこもりは、

精神疾患など心身に影響のない健康的な状態であるにもかかわらず、

自ら外に出ない状態で、

自らが選んでいる結果が引きこもりなのです。

 

 うつ病では「外に出たいのに出れない状況」だということを理解してください。


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