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    Categories: うつ病の運動療法

うつ病は1週間に1回の軽い運動で改善する

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

うつ病で調子の悪いときには医者に処方してもらった薬を飲むのが一番です。

しかし、薬を飲み続けてもうつ病は根本からは改善しないのです。

薬を飲んで調子が良いときには自分から進んで体を動かしてください。

うつ病には運動が良いことは多くの論文で報告されています。

ジョギングはもちろん、外を散歩するだけでも気分転換になりうつ病の改善に役立つのですが、

 1週間にたった1時間の軽い運動

でもうつ病の予防や改善に効果があるというのです。

これならあなたにもできるのではないでしょうか?。

 

 

1週間に1回の運動でもうつ病の改善効果がある

運動がうつ病の改善に効果があることについては多くの科学的論文で証明されています。

このサイトでも、

などの軽い運動がうつ病の改善に効果があることをご紹介していました。

しかし、

軽い運動がうつ病に効果があるといっても、

といっても定期的に、、、となるとなかなか長続きしないものです、、、。

 

ところが、

イギリスやオーストラリアの研究者グループは、

1週間1時間の運動でもうつ病の予防に効果がある

との研究論文を発表しました。

 

Exercise and the Prevention of Depression: Results of the HUNT Cohort Study

Conclusions:
Regular leisure-time exercise of any intensity provides protection against future depression but not anxiety. Relatively modest changes in population levels of exercise may have important public mental health benefits and prevent a substantial number of new cases of depression.

 

詳しく読む ⇒ American Journal of Psychiatry

 


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イギリス、オーストラリア、ノルウェーの国際的研究グループは、

1984〜1997年にノルウェーにおいておこなわれた大規模健康調査である「HUNT」の膨大なデータを解析したところ、

1週間1時間の運動でもうつ病の予防に効果がある

という結果が得られたというのです。

 

研究グループは、

大規模健康調査HUNTに参加した、

  • 健康な成人33,908人について、
  • 9〜13年後における、
  • 運動量とうつ病や不安神経症の発症

を調査したのです。

 

その結果、

 全く運動をしない人は週に1時間以上運動する人に比べてうつ病の発症率が44%高い

ことが分かったというのです。

 

うつ病と運動との間に因果関係があるとすれば、

1週間に1時間の運動でうつ病の発生を12%低下させられる

計算になるというのです。

ことになる。

 

さらに、

運動の種類については、

運動の激しさとうつ病の予防効果に関連性はないことから、

マラソンやジムでのトレーニングなどは必要なく、

年齢や性別で運動によるうつ病の予防効果は変わらかったと述べています。

 

研究グループでは、

「うつ症状があるから体を動かせない」という逆の因果関係があるかもしれないとしながらも、

毎週1時間の運動でうつ病の予防効果があるので、多くの人に実行可能だろうと述べています。

 

ただし、1週間に1回の運動は不安神経症においては効果がなかったとのことです。

 

カナダのトロント大学の研究グループも、

うつ病を予防するには少し歩くだけで良い

という研究結果を報告しています。

 

 1週間にたった1時間の軽い運動

これならあなたにでもできるのではないでしょうか?

この論文では時間については述べていませんが、

太陽を浴びる心をおだやかにするセロトニン量が増えることも明らかになっていますから、

気分が晴れたときには1時間の朝の散歩はいかがでしょうか?

 


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