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    Categories: 産後うつ病

妊娠中にうつ病になる妊婦が多い

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

先日は産後うつによる妊産婦の自殺が多いというニュースがあったばかりですが、

今朝のNHK・テレビのニュースでは妊婦の4%が精神疾患だというのです。

最近、妊娠中にうつ病になる妊婦が多いのです。

子供を授かることは非常に嬉しいことであるはずなのに、非常に残念なことです。

近直の10年間に東京23区で自殺で死亡した妊産婦は63名

とのことも明らかになり、妊婦や産婦での精神疾患の多さに驚くばかりなのです。

妊娠中のうつ病は、ホルモンの変化の影響も大きいのですが、

  • 自分独りで抱え込まない
  • 頑張りすぎない

ということも大事なのです。

 

 

妊婦の精神疾患が4万人

今朝のNHKのテレビニュースでは、

 うつ病などの精神疾患で治療が必要な妊婦が4万人に上る

という衝撃的な内容でした。

 

厚生労働省の研究班による調査で、全国1,000ヵ所の医療機関における産婦人科で昨年11月に出産した妊婦39,000人について、医師にアンケート調査したところ、「精神的な病気で治療が必要な妊婦が1,551人(4%)いた」ことが明らかになった。

というのです。

 

厚労省の2015年の人口動態統計の年間推計によると、

2015年の推計出生数は100万8,000人ですから、

その4%に相当する40,000人が「精神的な病気で治療が必要な妊婦」に相当するという訳なのです。

 

研究班で調査を担当した日本医科大学の中井章人教授は、

「メンタルヘルスケアが必要な妊婦の数が明らかになったのはこれが初めてだが、産科と精神科が連携し、地域での育児支援が必要だ」とコメントしています。

先月末の毎日新聞では、

2005~2014年の10年間に東京23区で自殺で死亡した妊産婦は63名に上った

と報じたばかりで、妊婦や産婦での精神疾患の多さに驚くばかりです。

 

妊娠中の精神疾患とは

先日の毎日新聞が報じた、妊産婦の自殺者数は、産後うつ病などのよるものが多いのだそうだが、今回の報道は、妊娠中の精神疾患ですが、

妊娠中の精神疾患とはどのような疾患なのでしょうか?

 

妊娠中に最も多く見られる精神疾患は、

  • 不安障害(パニック障害)
  • うつ病

で、100人の妊婦中10~15人が精神疾患を患っているそうなのです。

 

妊娠中の不安障害

妊娠中は、ホルモンのバランスが妊娠前とは大きく変わります。

ホルモンバランスの変化に伴って、妊娠初期には悪阻(つわり)などホルモンの変化に伴う肉体的不調も起きるのですが、

同時に、精神的な不調が起きることはなんら不思議なことではありません。

 

悪阻は妊婦の人全員に見られるわけではありませんが、

精神的不調も誰にでもみられるものでは有りませんが、かといって精神的不調は病的なものではありません。

 

妊娠すると、肉体的にも精神的にも、また生活環境においても大きな変化があります。

特に初産の場合には、母親になるという期待と同時に、

  • 私でも母親になれるかしら、、
  • 元気な子供が生まれるだろうか、、

などの大きな不安が湧いてくるものです。

 

不安障害は、かつては神経症、 不安神経症などと呼ばれていましたが、現在では全般性不安障害、 不安障害、 パニック障害といわれています。

心配の余り、

  1. 心臓がドキドキしたり、
  2. 呼吸が苦しくなったり、
  3. 居てもたってもいれなくなり、
  4. 不安がコントロールできないほど過剰で苦痛が強くなり、

生活する上で著しい支障をきたすような状態におちいれば不安障害といえるでしょう。

 

妊娠中のうつ病

妊娠して赤ちゃんを授かることは嬉しいことですから、妊娠中にうつ病に妊婦は少ない思われがちですが、

  • 周りの期待感
  • ちゃんと母親になれるのだろうか、
  • 出産の痛みに耐えられるだろうか、
  • 丈夫な赤ちゃんを産めるだろうか、、

などが、不安やプレッシャになってうつ病に陥る妊婦も少なくないのです。

 

上にも書きましたように、妊娠すると、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンの分泌量が大きく変わり、胎盤からはhCGといわれるヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンが分泌され、卵巣の黄体から黄体ホルモンの分泌を促します。

妊娠すると妊婦の身体ではかつてないほどのスピードで出産に向けて変化が起こるのですから、身体や精神がバランスを失うことがあるのは当然といえば当然のことなのです。

 

妊婦の中には、不安障害からうつ病に移行する妊婦も少なくないのです。

妊娠中のうつ病は胎児の成長にも良い影響を与えず、出産後に赤ちゃんが情緒不安定になることもあるといわれています。

  • 涙もろい
  • ささいなことにイライラしてしまう
  • 何事にも無気力
  • 気持ちが落ち込む
  • 何事も楽しいと思えない
  • 夜眠れない
  • 食欲があったりなかったり
  • 常に疲れを感じる
  • いつも何か不安を感じる

こんな気持ちが続くのであれば、主治医に相談してみたらいかがでしょうか。

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まずは主治医に相談

妊娠中に動悸や息苦しさが起こる原因は不安障害やパニック障害ばかりではありません。

妊娠中には、貧血により、息苦しさを覚えることもまれではありません。

胎児の発育に多量の血液が消費されるために、一時的に母体が貧血気味になることがあるのです。

 

急に息苦しさを感じたら、左の体側を下にして静かに横になってみてください。

この姿勢では、血液が心臓と子宮に優先的に流れますから、多くの場合、動悸がやわらぐはずです。

 

さらに、妊娠後期には大きくなった胎児が子宮を圧迫し、内臓が突き上げられるようになり動悸の原因になるのですが、この場合にも、左の体側を下にして静かに横になれば動悸が解消されるでしょう。

 

つらくなったら受診のサイン

動悸や息苦しさを絶えず感じるようであれば、心療内科や精神科を受診することも大切です。

妊娠中に精神科医を受診したり、精神科の薬を飲んだりすることには非常に抵抗を感じることでしょう。

 

動悸や息苦しさが我慢できないくらい強くても、妊娠中や母乳で育児中に服薬することには多くの女性が強い拒否反応を示すものです。

  • 薬の胎児への影響は?
  • 薬成分は母乳に移行しないの?

などと、ますます心配事が増えてしまう気持ちはよくわかります。

 

しかし、

放置しておけば、

 単なる不安 → 不安障害やパニック障害 → うつ病

に移行してしまう可能性もあるのです。

 

妊娠中のうつ病は貴女がつらいだけでなく、胎児にも影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。

まずは妊娠中にかかりつけの産婦人科の主治医に相談するのが一番です。

 

心理療法が有効です

妊産婦の心の健康問題には対話による治療が効果があります。

薬物療法をおこなわなくても対話療法により回復する妊産婦もたくさんおられるのです。

妊産婦は、優先的に心理療法を受けられるシステムがあるはずですから、貴女のかかりつけ医師に相談すれば、地元のサービスを紹介してくれるでしょう。

 

新生児訪問制度

無料で助産師に相談できる、各市町村の「新生児訪問制度」を活用したらいかがでしょうか。

新生児訪問制度とは、厚労省による、

すべての乳児のいる家庭を訪問し、子育ての孤立化を防ぐために、その居宅において様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する必要な情報提供を行うとともに、支援が必要な家庭に対しては適切なサービス提供に結びつけることにより、地域の中で子どもが健やかに育成できる環境整備を図ることを目的とした、広く一般を対象とした子育て支援事業。

なのです。

 

各市町村によって若干異なりますが、

一般的に、

出産後の退院後から2~4ヵ月の間に1回または2回

受けられます

市町村によって、1人目の子供の出産時のみ、あるいは、何人目でも受けられる市町村もあります。

さらに、住民票のある居住地域だけではなく、里帰り中であっても受けることができるありがたい行政サービスです。

 

昔は大家族で暮らしていました。

お母さんやお婆さんは出産を経験していますから、貴女のちょっとした変化や心の迷いに適切なアドバイスをして貰えました。

しかし、

夫と二人での生活では、貴女の不安に適切なアドバイスを与えることは無理なことです。

そして、妊娠中は遠出もできないため、友達と話をする機会も少なくなってしまいました。

 

妊娠中や産後にこころの健康に不安がある場合には、かかりつけの産婦人科医に相談したり、必要であれば、精神保健サービスや心理療法サービスなどを紹介してもらいましょう。

独りで悩むことが一番良くないことなのです

 


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