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    Categories: うつ病の診断

光トポグラフィー検査だけではうつ病の診断はできない

うつ病の新しい診断方法として光トプグラフィー検査があります。

うつ病や躁うつ病などの症状を数値化して診断できるとするクリニックも少なくありません。

光トポグラフィー検査は脳の血液の流れを測定する検査法です。‎

しかし、日本うつ病学会は11月29日に、

うつ病などの診断における光トポグラフィー検査の意義についての声明をだしました。

光トプグラフィー検査はうつ病の診断の補助的診断材料だとしているのです。

光トプグラフィーは有用な検査法ですが、

うつ病の診断は光トプグラフィー検査だけではできないのです。

うつ病の診断医つかわれる光トポグラフィーとは

⼀⽅、うつ病は⻑くにわたって問診のみで診断されてきました。
しかし、脳の病気であるうつ病も、実は数値で診断することができることが研究の結果により近年明らかになってきました。
光トポグラフィーが脳の状態を測定し、数値でうつ病を診断できる現在唯⼀の⽅法なのです。

 

光トポグラフィー検査とは、頭に近赤外光を照射・検出する専用のキャップ(装置)をかぶり、

 脳の活動に伴う大脳皮質の血流量を計測する

検査なのです。

 

光トポグラフィー装置によって、血液中のヘモグロビン量を測定して前頭葉の血液の流れの変化を測定し、前頭葉の活動を測定するのです。

 

光トプグラフィー検査は、もともと、脳外科手術などにおける検査などで使われてきたのですが、

前頭葉の血液流量が、健常者、うつ病患者、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などにおいて、それぞれ典型的なパターンがあるとして、精神疾患の診断にも有用性があることが分かってきたのです。

とくに、

 うつ病では前頭葉の血流量が低下する傾向がある

ことが分かっています。

 

うつ病における光トプグラフィー検査は、

  1. うつ病を数値で診断できる
  2. 体への負担が少ない
  3. 検査結果と問診をあわせて適切な治療ができる

として、

日本うつ病学会は、2014年から「抑うつ症状の鑑別診断の補助」としての適用を認め、

2014年4月からうつ病に対して保険適応となったこともあり、病院やクリニックでの導入が進んでいるのです。

 


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光トポグラフィー検査だけではうつ病の診断はできない

光トプグラフィー検査は、2014年から「抑うつ症状の鑑別診断の補助」に適用が拡大され、保険も適応されるようになったことから、

うつ病を診療するクリニック等では光トプグラフィー装置の導入が進んでおり、

うつ病などの症状を見える化

近赤外線を利用してうつ病や双極性障害などの症状を数値的に把握できます

保険外適応検査 12,030円

などとして、インターネットでの無料相談を受け付けているクリニックも多く見られます。

 

しかし、

2016年11月29日、

日本うつ病学会は、

「双極性障害およびうつ病の診断における光トポグラフィー検査の意義についての声明」

を発表しました。

くわしく見る ⇒ 日本うつ病学会の光トポグラフィー検査についての声明

 

この声明では、

十分な臨床評価が行わないまま光トプグラフィー検査だけでうつ病との診断しているケースが見られることを問題視し、

 光トプグラフィー検査は診断を行うための判断材料の1つに過ぎない

として、

うつ病などの診断は適切な臨床評価に基づいておこなうことを求めたのです。

 

光トプグラフィーによる前頭葉の活動にともなう血流量のパターンは、うつ病や躁うつ病などの精神疾患により典型的なパターンを示すことは明らかなのですが、

 光トプグラフィーによる診断の精度は60~80%程度

なのです。

光トプグラフィー検査は、

診断ができる検査ではなく

あくまでも、

診断の補助の検査に過ぎない

ということを明らかにしたのです。

 

光トポグラフィー検査をおこなっているクリニックは最先端の技術を取り入れている優れたクリニックだと勘違いしてはいけません。

日本うつ病学会では、

うつ病などの精神疾患の診断は、光トプグラフィー検査の結果を参考にしつつも、

適切な臨床評価に基づいて、ICD-10、DSM-5 等の診断に従って行う

ことが原則だとしています。

 

精神疾患の診断は医者の経験により大きく左右されるのです。

あなたの通っているクリニックの先生はいかがでしょうか?

あなたの話を良く聞いてくれますか?。

 

 


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