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    Categories: うつ病と睡眠障害

うつ病の原因になる不眠症を自己診断する

うつ病患者で不眠などの睡眠のトラブルが見られます。

不眠はうつ病に伴う症状でもありますが、

不眠症状が続くとうつ病になってしまう可能性があることが明らかになっています。

不眠が先か、うつ病が先か、、、タマゴとニワトリのように、うつ病と不眠は密接な関係にあるのです。

さらに、不眠はうつ病を悪化させることも知られています。

あなたは良い睡眠を取っていますか?

不眠症の自己診断をしてみませんか?

不眠症はうつ病の原因で、うつ病を悪化する

不眠は、不眠症や睡眠障害とも言われますが、4つの種類に分けられます。

  1. 入眠障害 : なかなか寝付けない
  2. 中途覚醒 : 睡眠中に何回も目覚る
  3. 熟睡障害 : 充分寝たはずなのにまだ眠い
  4. 早朝覚醒 : 朝早くに目がさめる

の4つですが、

うつ病でみられる睡眠障害の多くは、

8割が、

  • 途中覚醒
  • 早朝覚醒

2割が、

  • 過眠症状

だといわれています。

 

うつ病と不眠は、それぞれ別の原因と考えがちですが、うつ病と不眠は非常に密接な関係にあるのです。

うつ病は脳内のセロトニンの減少が原因のひとつと考えられていますが、睡眠ホルモンと言われるメラトニンは、セロトニンから作られるのです。

詳しく見る ⇒ うつ病と不眠症の関係

従って、

  • うつ病にならない
  • うつ病を悪化させない

ためには、良い睡眠を取る必要があるのです。

 

富士ゼロックスでは、新入社員研修に睡眠衛生教育を取り入れ、新入社員の不眠症などの疑いを調べる睡眠評価調査を実施し、産業医による講習や情報提供を行っているそうです。

睡眠は健康に大きく関わるだけでなく、うつ病との関連性も指摘されているため、社員の睡眠に関する情報をデータベース化してメンタル疾患対策などに役立てる計画なのだそうです。

富士ゼロックスは、入社と同時に新入社員の睡眠評価調査を行って、入社前までの睡眠状態を測定し、不眠状態にある社員に対しては睡眠認定医の資格も持つ産業医の講習などを受けるように指導しているそうです。

富士ゼロックスが社員の不眠調査を行っているのは、

アテネ不眠尺度

ですが、あなたも不眠の自己診断をやってみませんか?

アテネ不眠尺度(AIS)で自己診断する

不眠症を診断するには、アテネ不眠尺度があり、自己診断できます。

アテネ不眠尺度(AIS)というのは、世界保健機関(WHO)が中心になったプロジェクト・「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した、不眠症の判定基準で、現在、世界共通の不眠症判定法として使われています。

アテネ不眠尺度は、8問の質問に、4つの答えから自分の相当するものを選択し、各質問の合計点から不眠を判定するのです。

 

では、実際にやってみましょう。
下記の8つの質問について、

過去1ヵ月の間に、少なくとも週3回以上経験したものはどれですか?

を、各4つの回答から自分に相当するものを選んでください。

  1. 寝つきはどうですか?(0点)  いつも寝つきは良い
    (1点)  いつもより少し時間がかかった
    (2点)  いつもよりかなり時間がかかった
    (3点)  いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった
  2. 睡眠途中に目が覚めますか?(0点)  問題になるほどではなかった
    (1点)   少し困ることがあった
    (2点)   かなり困っている
    (3点)   深刻な状態か、全く眠れなかった
  3. 予定した起床時間より早く目覚めたり、それ以上眠れないことがありますか?(0点)  そのようなことはなかった
    (1点)  少し早かった
    (2点)  かなり早かった
    (3点)  非常に早かったか、全く眠れなかった
  4. 睡眠時間はどうですか?(0点)  十分である
    (1点)  少し足りない
    (2点)  かなり足りない
    (3点)  全く足りないか、全く眠れなかった
  5. 睡眠の質はどうですか?(0点)  満足している
    (1点)  少し不満
    (2点)  かなり不満
    (3点)  非常に不満か、全く眠れなかった
  6. 日中の気分はどうですか?(0点)  いつも通り
    (1点)  少し気が滅入っている
    (2点)  かなり滅入っている
    (3点)  非常に滅入っている
  7. 日中の身体的および精神的活動はどうですか?(0点)  いつも通り
    (1点)  少し低下している
    (2点)  かなり低下している
    (3点)  非常に低下している
  8. 日中に眠気を感じますか?(0点)  全くない
    (1点)   少しある
    (2点)   かなりある
    (3点)  激しく感じる

いかがでしたか?

それでは、各質問の答えの合計点数を計算してください。

あなたの合計点数はいくらでしたか?

合計点を算出して下記の基準で判定してください。

  • 1~3点 : 睡眠障害の心配なし
  • 4~5点 : 不眠症の疑いがある
  • 6点以上 : 不眠症の疑いがあり、医師の診察を受ける方が良い

いかがでしたでしょうか?

 

製薬会社である、ファイザー(株)が、2011年に、社員4,000人を対象に、アテネ睡眠尺度を用いて不眠調査を行ったところ、

  • 3点以下 睡眠障害の心配ない : 37.2%
  • 4~5点 少し不眠症の疑いがある : 20.7%
  • 6~9点 不眠症の疑いがある : 29.7%
  • 10点以上 医師に相談すべき : 12.5%

という結果だったそうです。

不眠調査前のアンケートでは、

自分は不眠症だと思うと答えた人は13.2%

でしたが、アテネ不眠尺度による診断の結果では、

6点以上で「不眠症の疑いがある人」と「医師に相談すべき」が合計で42.2%

であることから、

不眠症を自覚しているは判定基準よりも少ないことが分かったとしています。

アテネ不眠尺度は、「隠れ不眠症」を明らかにしてくれる判定法といえるようです。

あなたも是非、アテネ不眠尺度で自己診断してください


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良い睡眠を取るための方法

日本睡眠学会は、良質の睡眠を得るための方法として、

睡眠衛生のための指導内容

を発表していますのでご紹介しましょう。

「睡眠衛生のための指導内容」というのは少し難しい表現ですが、

簡単にいえば、

  良い睡眠を取るための方法

です。

日本睡眠学会が推奨する、良質な睡眠をとるためにすべきこととは、、

1) 定期的に運動をする

定期的に運動しましょう。適度な有酸素運動は寝つを良くし、睡眠が深くなります。

2) 寝室環境

快適な就床環境を整えると、夜中に目が覚めることも少なくなります。
音対策として絨毯を敷き、ドアをきちんと閉め、遮光カーテン等を用いることは良い睡眠の手助けになります。
寝室を快適な温度に保つことも大切で、暑すぎたり寒すぎたりすれば、安眠の妨げになります。

3) 規則正しい食生活

規則正しい食生活をして、空腹のまま寝ることのないようにしてください。空腹は睡眠の妨げになります。
就寝前に炭水化物などの軽食を摂ることは睡眠の助けになることがありますが、就寝前に脂っこいものや胃もたれする食べ物は避けてください。

 4)  就寝前に水分を摂りすぎない

夜中にトイレに行く育回数が増えないように就寝前の水分の摂りすぎに注意してください。
ただし、脳梗塞や狭心症など血液循環に問題のある方は主治医に相談してください。

5)  就寝前のカフェイン

就寝の4時間前からはカフェインの入った飲料は摂るべきではありません。
就寝前に日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど摂ると、寝つきにくくなったり、夜中に目が覚めやすくなったり、睡眠が浅くなったりします。

6)  就寝前の飲酒

眠る前の飲酒は良い睡眠の逆効果です。
飲酒により一時的に寝つきが良くなりますが、夜中に目が覚めやすくなり、深い眠りも減って、逆効果です。

7)  就寝前の喫煙

ニコチンには精神刺激作用があるため、夜は喫煙はできるだけ避けるべきです。

8)  寝床での考え事

布団に入ったら、昼間の悩みや問題事を考えないようにしましょう。
今日の問題点、明日の予定や行動について計画したりするのは翌朝にしましょう。
問題事や心配事を抱えた状態では、寝つ気も悪くなり、眠りも浅くなってしまいます。

 

うつ病と不眠は密接な関係にあります。不眠はうつ病の原因になるだけでなく、不眠はうつ病を悪化させます。

あなたの不眠症の自己診断の結果はいかがでしたか?

不眠症だとしても睡眠薬の服用は根本的な解決になりません。

次回は、不眠症の解決法についてお話ししたいと思います。


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