うつ病で休職したら生活保護を受けられるか

ご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

うつ病になると会社に行けなくなり休職する人が非常に多いのが現実です。

うつ病の改善には長時間かかるのが通例ですから、

最初は有給休暇をあてても、最終的には有給休暇を使い果たしてやむなく休職という場合も多いのです。

休職となると給与が半減や最悪の場合には全く給料をもらえなくなってしまいます。

うつ病で休職し収入がなくなった場合には生活保護を受けることが出来るのでしょうか。

うつ病による休職中には、失業保険や自立支援医療制度というのがあるのですが、それらを受給するための条件を調べてみました。

 

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生活保護の受給者が増えている

生活保護を受給している世帯が急増し、2016年3月時点では過去最多の162万世帯に上りました。

生活保護受給世帯はの10年でおよそ2倍に膨らんでいます。

生活保護受給者が多い大阪市では18人に1人が生活保護を受けている計算で、生活保護費は市の予算の約17%を占めていることになります。

生活保護費の4分の3は国庫負担だが、それでいてこの額になり、生活保護費は市の予算を圧迫しているのです。

受給される生活保護費は、

東京23区に在住で、

  • 60歳代で単身 : 約13万円/月
  • 60歳代夫婦  : 約18万円/月

です。

この金額が、国の定める「人が生きていくための最低生活費」なのですが、東京都内に在住の場合ですから、地方都市に住んでいればもう少し少なくなります。

しかし、お金のない生活は健康を蝕むというデータがあります。

2012年のデータですが、年収250万円以上の「上流老人」に比べ、

下流老人は、

  • 男性では3.5倍
  • 女性では2.5倍

死亡率が高いというのです。

うつ病についても同様です。

年収400万円以上の高所得グループに比べ、

100万円未満の低所得グループは

  • 男性で6.9倍
  • 女性で4.1倍

うつ状態の人が多かった

そうなのです。


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うつ病による生活保護の受給資格

うつ病で働けない場合にも生活保護の受給資格があります。

しかし、うつ病で働けない、という理由だけでは生活保護を受けることは出来ません。

生活保護を受けるには、下記の条件を満たす必要があります。

  1. 援助してくれる家族や親戚がいない
  2. 資産がない
  3. 病気やケガで働くことができない
  4. 収入が最低生活費を下回っている

うつ病の場合には、3の条件は満たしていることになります。

1の「援助してくれる家族や親戚がいない」については、家族と同居して、その家族が働ける状態で、収入がある程度あるならば生活保護を受けることはできません。

生活保護を申請した場合、親、兄弟、3親等以内の親類に対して「扶養照会」というものが届き、は、これ生活保護を申請した人の援助ができるか否かを確認する書類で、もし援助が可能な人がいるならば生活保護を受けることはできません。

2の資産についても、貯金や、土地や家屋などを所有している場合にはは、その貯金を使い果たし、土地や家屋を売却してからではないと生活保護を受けることができません。

車も資産ですから、車を所有している場合には、生活保護を受けることはできませんが、仕事を探すため、病院に通うため、に車が必要と認められた場合には車の保持が認められます。

パソコンや高額のテレビなどを資産とみるかはケースワーカーの判断によります。

分からないことがあれば全て生活保護の担当のケースワーカーの方に相談してからじゃないと不正受給の対象となるので気を付けましょう。

 

うつ病の自立支援医療制度

うつ病になって働けない、、というだけでは残念ながら生活保護を受けることはできないのですが、

自立支援医療制度

があります。

うつ病などの精神疾患により精神科や心療内科に通院している場合には就労も困難な場合が多いので、「自立支援医療」という、精神通院医療費の公費負担制度があります。

すなわち、健康保健の自己負担金の一部を公的に支援してもらえる制度です。

 通常の健康保険では3割負担ですが、自立支援医療では1割負担です

自立支援医療の対象となる疾患は、

  • 統合失調症
  • うつ病
  • 不安障害(不安神経症)
  • 知的障害
  • てんかん
  • 摂食障害

で、うつ病の場合には、うつ病との確定診断が下っていなくても、うつ病の疑いという状況でも対象になります。

しかし、補助の対象は精神科による診療部分だけで、風邪を引いて内科にかかったり、腰痛で整形外科にかかったりした部分は補助の対象になりません。

また、重要なことは、通院している精神科が「指定自立支援医療機関」であることが前提ですから注意が必要ですが、ほとんどの精神科は指定自立支援医療機関になっていると思われます。

この制度の利用に際しては、居住する市町村の担当窓口に申請する必要がありますので、窓口で相談し、必要書類を用意して申請して下さい。

指定自立支援が認定されると、表紙が黄色の、通称、黄色い手帳と呼ばれる手帳が発行され、精神科に受診の際や院外処方の場合はその薬局に、その手帳を提出する必要があります。

毎回の支払金額が手帳に記載されて月単位で加算され、上限額まで行ったら、それ以上の支払いは免除されます。


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