タバコはうつ病のリスクを上げるから良くない

タバコは健康に良くないといわれますが、ストレスの解消には役立ちます。

うつ病の原因の一つはストレスです。

ストレスを解消するタバコはうつ病に良いのでしょうか?

うつ病のリスクを上げるタバコは良くないことを知っていますか

タバコを吸っていたヒトが禁煙することは非常にイライラしたり、ストレスをつのらせてしまいます。

うつ病の兆候があるヒトや、うつ病の再発を懸念するならば、

うつ病のためにはタバコは止めた方が良いのでしょか?

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タバコはうつ病のリスクを上げる

確かに、タバコはストレス解消には役立つのですが、

タバコはうつ病に良いのでしょか?

タバコはうつ病に悪いのでしょうか?

 

結論から言いましょう。

タバコはうつ病のリスクを上げるので良くない

のです。

要するに、

タバコを吸っているとうつ病にかかりやすいのです。

 

タバコがうつ病のリスクを上げることは多くの研究論文で立証されています。

最も有名な論文は、

2015年2月にBritish Heart Foundation(イギリス心臓基金)の報告ですが、

喫煙者は非喫煙者より不安神経症やうつ病にかかる確率が1.7倍も多い

と報告しています。

この疫学調査は、

40歳以上の6,500人を対象とした調査ですが、

不安症やうつ病にかかっている人の割合は、

  1. 非喫煙者 : 10%、
  2. 元喫煙者 : 11.3%
  3. 喫煙者  : 18.3%

と、喫煙者の不安症やうつ病にかかる割合は喫煙者よりも有意に高いのです。

 

 

アメリカのワシントン大学の研究グループも喫煙がうつ病や不安障害などの精神疾患の罹病率を高めることを報告しています。

この研究では、4,800人を対象に、

  1. 喫煙を続けた人
  2. 禁煙した人

に分け、

3年間にわたって精神疾患の罹病率を追跡して調査したのです。

その結果、

禁煙した人では、うつ病、統合失調症、パニック障害、気分障害などの精神疾患の罹病率が低い

ことが明らかになりました。

具体的には、

うつ病の罹病率は、

  1. 喫煙を続けた人 : 42%
  2. 禁煙した人   : 29%

と、タバコを止めることで低下したのです。

アルコール乱用についても、

  1. 喫煙を続けた人 : 28%
  2. 禁煙した人   : 18%

だったと報告しています。

 

ワシントン大学の研究では禁煙によってうつ病のリスクが低下することを示していますが、

イギリスのバーミンガム大学の研究グループも、

禁煙することで、がんや心臓病などの発症リスクを低下させメンタルヘルスも改善する

と報告しています。

研究グループは、

平均1日20本のタバコを吸っていた4,500人に研究に参加してもらい、、

禁煙の前後における不安障害、ストレス、生活の質などの変化を調査したのです。

その結果、

禁煙に成功した人は、禁煙に失敗した人に比べ、

  1. 不安障害が37%低下
  2. うつ病が25%低下
  3. ストレスが27%低下

して、、生活の質が向上して積極的になったと感じる人が22%も増加したというのです。

 

研究グループは、

 禁煙の効果は抗うつ薬による治療と同等かそれ以上である

としています。

 

国内の調査でもタバコはうつ病のリスクを上げる

海外での研究では、

うつ病のリスクはタバコによって2.9倍に高まる

というのが平均的な考えのようですが、

国内の研究によっても、タバコはうつ病のリスクを高めることが明らかになっています。
東京近郊の労働者2,800人を対象とした調査では、

タバコを吸うヒトはタバコを吸わないひとよりうつ病のリスクが1.65倍高い

という結果が得られています。

うつ病のリスクはタバコによって上がるのでうつ病には良くないのです

 

さらに、

上の図でも明らかなように、

禁煙すればうつ病のリスクは低下するのです。


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うつ病にならないためには禁煙した方が良い

国内の喫煙者の数は減少しています。

日本の喫煙率のピークは1966年で、

  • 男性の喫煙者  83.7%
  • 女性の喫煙者 18.0%

と、いまでは考えられないほどの喫煙率です。

しかし、

その後は年ごとに低下し、

2014年には、

  • 男性の喫煙者  30.37%
  • 女性の喫煙者  9.8%

に低下しているのです。

 

2003年5月に、WHOの総会において、

たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約

について、全会一致で条約案が採択され、日本も2004年6月8日に条約を締結しています。

それに伴い、
日本たばこ協会と全国たばこ販売協同組合連合会などは2008年度から、taspoを導入し未成年者の喫煙防止に力を入れるようになっています。

同時に、

タバコの健康被害についても表示を行い、

  • 喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つになります
  • 喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます
  • 喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます
  • 喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます

と明記されるようになったのですが、

タバコはうつ病や不安神経症などのメンタルヘルスに対してもネガティブな影響を与えるのです

タバコはストレスを解消するはウソ

  • タバコはストレスを解消する
  • ストレスがたまっているからタバコをやめることはできない

これが喫煙者の主張です。

しかし、

 短期的にはタバコを吸えば気持ちが落ち着く事もある

ということも事実なのですが、

しかし長期的な経過を見れば、

 タバコを吸う事で精神的に悪影響を来たす可能性の方が高い

という2つの側面があるのです。

短期的には、

ニコチンの作用により精神状態の改善に役立つ

ことも事実なのですが、

長期的に見ればニコチン中毒による中毒症状の解消

にすぎないのです。

ニコチン中毒による、

  • イライラ感
  • 集中できない

が、喫煙により解消されることを、「精神状態を正常化する」ことと勘違いしてしまっているのです。

 

 

イギリスのバーミンガム大学の研究グループは、

  1. 禁煙することは、メンタルヘルスの観点でも便益が大きいことが判明した
  2. 禁煙の効果は、抗うつ薬による治療と同等かそれ以上である

と述べているのです。

それでもあなたはタバコを吸うのでしょうか。


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